台風や大雨による洪水などの自然災害では、「土砂災害」が発生することがあります。
土砂災害が起こると、お住まいのエリア一帯が多大な被害を受け、大切な人も家屋も財産も全て押しつぶされてしまうでしょう。
土砂災害の被害を防ぐには、できる限り危険な場所に住まない、ということと、自分の身を守るための備えが必要です。
お住まいの地域にどのような危険が潜んでいるのかをよく調べ、もし土砂災害が起こることが予想できるなら、有効な予防対策を実施するようにしましょう。
今回は台風、地震、豪雨などによる土砂災害が発生した時に、身を守るための方法の他、有効な事前対策方法についての役立つ情報をお伝えしていきます。
日本には土砂災害の発生する区域が多い
日本の地形は、傾斜の急な山が多いだけではなく、台風、大雨、地震などの土砂災害の原因となりやすい自然災害の発生回数も多いので、土砂災害が発生しやすい地域がたくさんあります。
土砂災害の起こりやすい区域も日本全国でみた場合、68万区域もあると推計されていますので、まずはお住まいの地域・区域が土砂災害が発生する確率が高いのかどうかをよく確認しておきましょう。
土砂災害が起こるとどうなる?
土砂災害の代表的なものが、がけ崩れ、土石流、地すべりといったものです。
映像で見たことがある方も多いとは思いますが、見た目以上にすさまじい破壊力を持つ土砂が、一瞬にして建物や財産を全て押し流してしまう危険な災害です。建物内に人がいれば、全員押しつぶされ、生き埋めになってしまうでしょう。
土石流のスピードは思った以上に速いので、危険を察知したら早めに避難所へ逃げるようにしましょう。
お住まいの場所が「土砂災害警戒区域」かどうか確認しよう!
お住まいの地域が土砂災害の頻繁に起こる地域なら、当然のように警戒してください。
土砂災害に関する情報は、都道府県や国土交通省などのサイトを見れば、すぐにわかります。
例えば、「土砂災害警戒区域」や「土砂災害危険箇所」と表示されている場所のことです。
さらに市町村が作成する「土砂災害ハザードマップ」もしっかりと活用し、避難場所だけではなく、避難経路も事前にきちんと確認してください。
もちろん、「土砂災害警戒区域」に指定されていない場所でも、がけ地や小さな沢などのある場所なら、同じように警戒したほうがいいでしょう。
国や自治体による土砂災害予防対策が実施されているのかどうか?
過去に一度でも大規模な土砂災害が起こった地域なら、国や自治体でも、具体的な土砂災害予防対策が実施されているはずです。
国や自治体が提供する情報をよく調査し、避難場所や避難経路の確認の他、実際に避難訓練などにも参加し、どのような状況になれば、避難を開始すればいいのかをよく確認しておくようにしましょう。
土砂災害から身を守る5つのポイント
土砂災害が起こる地域にお住まいなら、こちらで土砂災害から身を守るポイントについてご紹介しておきますので、参考情報としてご活用ください。
土砂災害ハザードマップを利用しての避難経路・避難場所の確認
市町村が作成する「土砂災害ハザードマップ」を見て、避難場所と避難経路を確認してください。
「土砂災害警戒情報」を入手し警戒レベル4にご注意を!
急に雨が降り出したら、「土砂災害警戒情報」を入手できるようにし、随時情報を確認するようにしましょう。
避難しなければならないのは、「警戒レベル4」相当の情報発表時です。
自治体が「警戒レベル4」で避難指示を発令しますので、逃げる準備を始めてください。
「土砂災害警戒情報」は、気象庁のホームページ、各都道府県の砂防課などのサイトを見ればすぐに確認できます。
テレビやラジオの気象情報でももちろん確認可能です。
さらに、気象庁の「土砂キキクル」やスマホの気象情報アプリなどでも確認できるでしょう。
豪雨になる前に「警戒レベル4」で避難開始
お住まいの地域で「警戒レベル4」が発令されたら避難を開始してください。
避難指示が出ていなくても、早めに避難することが基本です。
夜間時や避難所までの移動時間が長い場合は特に慎重に行動してください。
周囲を観察し土砂災害の前兆を知ること
土砂災害の前兆を知ることは大変重要です。
主に「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3種類のタイプの土砂災害発生の前兆にご注意ください。
「がけ崩れ」
がけ部分に大きなひび割れができたり、斜面から水が湧き出てきた場合です。
また、がけの上方から小石がパラパラと落ちてきたりすると要注意です。
「地すべり」
地面の大きなひび割れや陥没の発生、がけや斜面からの水の噴き出しなどにご注意ください。
樹木が傾き、地面に亀裂や段差が発生します。
また、井戸や沢の水も濁ります。
地鳴りや山鳴りなどがして事前に気がつくこともあります。
「土石流」
山鳴りがし、腐った土の匂いがします。
川の水が濁り、流木が混ざり、川の水位が下がります。
土石流が近づくと、立木の裂ける音や石がぶつかり合う音がします。
安全に避難できる場所を確保すること
急に強い雨が降ってきて、逃げるタイミングを逃してしまうようなことがあります。
避難所への避難が困難な時は、頑丈な建物の2階以上に緊急避難してください。
木造家屋の1階は被災しやすいので危険です。
できる限りがけから離れた部屋や2階に避難してください。
避難するかどうか迷うことが多い方は、自治体の避難訓練に参加して、ご自身が行動に移しやすいようにしておきましょう。
各自で事前にできる土砂災害予防対策とは?
次は、各自でできる土砂災害予防対策はあるのでしょうか?
土砂災害が予想される地域なら、事前に知っておくべき防災情報についてお伝えしておきます。
気象庁の「土砂キキクル」で土砂災害の危険度を確認すること
気象庁が提供している「土砂キキクル」は、大雨警報(土砂災害)の危険度分布が常時10分毎に更新されているサイトです。
危険度は5段階に分けています。(今後に留意、注意、警戒、危険、災害切迫)
周辺地域が、紫の「危険」(警戒レベル4相当)になった場合は、安全な場所へと避難してください。
土石流から逃げる方向に注意
河川の近くなどの土石流の流れに近い場所にお住まいの方は、流れを背にして逃げるのではなく、土砂の流れる方向に対して直角に逃げるようにしてください。
土石流の流れるスピードは想像以上に速いのでご注意ください。
非常持ち出し袋に防災グッズを入れて準備すること
非常持ち出し袋には、必要最低限の防災グッズを入れておきましょう。
軽量のリュックサックのようなもので十分です。
水、非常食、衣類、懐中電灯、ラジオ、アルミシート、常備薬等です。
まとめ:土砂災害が予想されるなら事前準備を徹底し最新情報にご注意を!
お住まい地域で過去に一度でも土砂災害が起こったことがあるなら、今後も土砂災害が予想されます。
また、土砂災害が発生しやすいがけ地等に近い場所お住まいなら、土砂災害が起こることが予想されますので、事前に土砂災害の危険性を知り、危険を察知するようにして、スムーズに避難行動ができるように準備しておきましょう。
「土砂災害警戒情報」や「土砂災害ハザードマップ」などは、常に最新の情報を入手できるようにしておきましょう。
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