大地震が起こる前兆ってあった?過去の事例を元に検証

台風、大雨、竜巻、大地震などの自然災害は突然発生し、その地域全体に甚大な被害を引き起こし、死者も多数出ます。
特に大地震が発生した場合は、人口が多い地域、少ない地域に限らず、どのような場所でも多くの建物が倒壊し、津波の被害も発生し、火災も多数発生することから、多くの人が命を落としています。
そこで、昔から大地震の発生は予想できるとして、その「前兆」を研究している研究機関なども多数存在します。
科学的な根拠に基づくものもありますが、昔から「大地震の前兆」と呼ばれる現象が地震発生前に見られることが多かったからです。
このような自然災害発生前の「前兆」を見逃すことなく、事前にできる限りの防災対策をしっかりと実施し、もし「前兆」に気づいたら、とにかく逃げることを優先してください。
そこで「大地震の前兆」について、過去の事例を元に検証しながら、どのような意味があるのか、本当に前兆として信じていいのかどうか、などについて解説していきます。

目次

大地震の前兆その1:地鳴りが聞こえる!

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どのような現象が起こるのか?

地鳴りは、揺れと共に発生することが多く、大地震が発生する直前や直後などにも地鳴りが聞こえることが現地の方からも多数報告されています。
地鳴りは、鳴動とも呼ばれ、過去の大地震発生時にも本震の数日前から地鳴りを聞いていたという記録がしっかりと残されています。
群発地震などでは、本震と余震が立て続けに起こることがあることから、大きな揺れは地鳴りを伴うものであってもおかしなことではない、と考えることができます。

どのような意味があるのか?

地震発生前の地鳴りは、地震そのものと必ずしも関連があるわけではありません。
地震予知で地鳴りを利用する場合は、その科学的な根拠が解明されていないことから、地震の前兆として考えるのはちょっと難しいといわれています。
実際の地震の発生メカニズムでは、地震の波は、P波とS波の二種類があって、P波が先に到達した後に地鳴りが起こり、大きな揺れを伴うS波が後から到達するような仕組みです。
したがって、P波とS波の間隔は数十秒しかなく、地震予知として使うには少し難しいのかもしれません。

大地震の前兆その2:トンビやカラスなどの動物の群れ

どのような現象が起こるのか?

大地震の数か月〜数日前までに大量の群れのカラス、トンビなどが集まり、空を覆うほどの数で騒ぎながら飛んでいるのを見かけることがあります。
鳥を含めて、動物たちは地震前の異常な状況を感じ取って、本能的に同じ種で集まって安全な場所に大移動するケースがあります。
人よりも嗅覚や聴覚が優れた動物たちは、もしかしたら地震の前兆を本能的に察知しているのかもしれません。

どのような意味があるのか?

鳥などの動物の異常行動は、目に見えますし、わかりやすいので地震などの自然災害の前兆と捉えることができますが、科学的な根拠はなく、実際には地震予知にも使えません。
しかし、身近な場所で動物の異常行動が見られたら、地震以外の理由で今その場所に何らかの危機が迫っている恐れがあるのでは?と考えることができます。

大地震の前兆その3:巨大生物の大量死や深海魚の打ち上げ

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どのような現象が起こるのか?

巨大生物といえば海なら「クジラ」、川や湖なら「ナマズ」でしょう。
深海魚といえば、あまり見かけることのない「リュウグウノツカイ」などでしょう。
突然、海辺に打ち上げられることが多く、その数が多いと地震の前兆では?と話題になることがありますが、科学的な根拠や統計的な関連もないことから「迷信」として考えられます。

どのような意味があるのか?

深海魚と地震との関連性は全くなく、東海大学の研究グループの研究結果でも迷信であるという結論に達しています。
地震前のナマズの異常行動はかなり昔から知られており、地震のシンボルであると言われてきましたが、こちらも科学的な根拠がなく、地震とは全く関連性がないということです。

大地震の前兆その4:地震雲の発生

どのような現象が起こるのか?

「地震雲」は、普段見かけない形状の雲であることから、地震の前兆であると言われることがあります。
「地震雲」は、帯状や放射状の雲、レンズ状の雲といった形でわかりやすく別の言葉で表現できます。
残念ながら、空に浮かぶ雲と地面が揺れる現象である地震との関連はよくわかっていません。
科学的な根拠がないのと、地震雲とはどのような雲?といっても説明しにくく、その形が明確に決まっているわけではありません。
そのため、地震予知や前兆として捉えるのは少し難しいのではないかと考えられます。

どのような意味があるのか?

地震雲に限らず、変わった形状の雲はごく稀に発生することがありますが、必ずしも地震が発生するわけではなく、その関連性はあまり認められていません。
珍しい形の雲ができる現象は、気象学で説明ができますが、大地が揺れる地震とは今のところ関連はありません。
地震雲に限らず、珍しい形の雲を見かけても、大地震の前兆と考えないほうがよく、きれいな雲が見られてラッキーだっと考えるようにしてみましょう。

大地震の前兆その5:電離層の異常や発光現象

どのような現象が起こるのか?

地震の予知や前兆の一つとして考えられているのが、電離層の異常です。
大規模な地震発生の数日前に、電波の平均振幅が極端に低くなるような異常を観測することがあります。
これは、根拠のある「明瞭な前兆」として考えることができます。
具体的には、ラジオからノイズ音が聞こえたり、携帯電話の動作異常が発生したりしたことが、大規模な地震発生の前後で確認されています。
さらに、大地震前には発光現象が多数発見されることがあります。
発光現象は、火の玉の目撃や地面から200メートル近く伸びるような閃光などが確認されており、明らかに何らかの自然現象であると考えられます。

どのような意味があるのか?

電離層の異常や発光現象が、突然頻繁に現れるようなら、地震の前兆として利用できる可能性もあります。
しかし、いつ起こるのかわからないうえに、発生する可能性が大変低く、実際の地震予知システムの現場ではまだ利用されていません。
今のところ、これらの特異な自然現象は、他の自然現象や指標と組み合わせて使用することが検討されていますが、地震予知の精度を高めるのに役立つのではないか?と考えられているに過ぎません。

まとめ:地震予測は難しい!「前兆」はあくまでも参考程度

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今回は、本当か?嘘か?どちからわからないような地震の前触れである「前兆」現象について取り上げ、その意味について検討してみました。
地震の「前兆」には、昔からよく言われている「迷信」もあれば、実際にも地震の前後で見られるような特異な自然現象も多数報告されています。
しかし、地震予知の利用にはまだ難しい点が多く、正しいメカニズムが詳しく解明されていないものばかりです。
もしこれらの前兆現象が地震予知に利用されるようになれば、地震予知の精度も向上するものと考えられます。

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