地震が起こったときは、焦らず落ち着いて正しい行動を取らなければならない、ということは当然のことです。
地震による大きな揺れを感じたら、まずは机の下に隠れて自分の身を守り、その後、揺れが収まったら事故や火災を防ぐために火の始末を行うのが一般的な流れです。
しかし、地震があったときにやってはいけないこともたくさんあります。
無駄なことをやってしまって命を落とすようなことは避けるべきでしょう。
地震発生時は、一瞬の判断が生死を分けることが多いので、やってはいけないことはしっかり守り、まずは安全確保や避難すべきかどうかを判断し、次の行動につなげるようにしてください。
そこで、今回は地震の発生時にやってはいけないことに焦点を当てて、それがなぜだめなのか?といった理由やどうすればよいのか?などについて詳しく解説していきます。
地震で停電したらいきなり火を使用してはいけない!
なぜやってはいけないのか?
突然大きな揺れが発生すると、安全のため一時的に停電することがあります。
これは安全のために作動するブレーカーの正常な機能です。
しかし、この直後、準備していたローソクなどに火をつけて灯りをつけるのはNG行動です。
停電時はガス漏れも発生していることが多く、火をつけると充満した引火して火災が発生することが多いからです。
さらに、火花が飛んだだけでもガスに引火して爆発を起こすことがあります。
換気扇などの簡易な電気器具の使用であっても十分にご注意ください。
どうすればいい?対処法いろいろ
地震直後も本震、余震が何度か続くことがありますので、揺れが収まった後も安全確認ができるまで火の使用は厳禁です。
特にガスは目に見えないので、ガス臭いニオイがしていたら要注意です。
地震で停電したらブレーカーや電気をつけてはいけない!
なぜやってはいけないのか?
地震後に停電が起こった場合は特に要注意です。
安全確認前に電気器具のスイッチを入れたり、消したりすると、「通電火災」が発生することがよくあるからです。
停電だ!と感じたら、安全確認ができるまで、スイッチを切って、プラグをコンセントから抜き、電気器具の使用は控えてください。
ブレーカーが落ちているなら正常に作動している可能性が高く、漏電などによる出火がきちんと予防できています。
安全確認できるまで、しばらくはブレーカーに触らないようにしてください。
どうすればいい?対処法いろいろ
停電でブレーカーが落ちていた場合は、安全確認ができるまで、すぐにブレーカーを上げないようにしてください。
大きな揺れで各地で停電が起きている場合に、自動でブレーカーが落ちていない場合は自分で自主的にブレーカーを落としてください。
通電火災を予防するためにも重要な行動です。
クルマを置いて避難するときは鍵をかけない!
なぜやってはいけないのか?
クルマを運転中にも大地震に遭遇することがあります。
大地震が起こったときに運転中なら、ハザードランプを点灯させながら、ゆっくりと減速しながら、道路の左側に停車します。
大きな揺れが続いたり、余震も起こったりすることが多いので、車内で一時待機するか、停車させたままクルマを置いて、安全な場所まで徒歩で避難する必要があるでしょう。
クルマを置いて避難するときは、エンジンキー(鍵)は、ロックしないでください。
クルマを路上に放置することになりますので、緊急・救援車両が通れなくなってしまうからです。
クルマの鍵がついていると、すぐに移動させることができますので、クルマで移動していて渋滞などで動けなくなってしまった場合はご注意ください。
どうすればいい?対処法いろいろ
クルマで逃げるか、徒歩で逃げるか、状況判断が難しいとは思いますが、渋滞が続くようなら、財布やスマホなどの貴重品や最低限の荷物を持って徒歩で逃げるようにしましょう。
クルマを置いて逃げるときは、邪魔になることが予想されますので、鍵はつけたままにするか予備の鍵を車内に置いて逃げるようにし、ロックはしないようにしてください。
火災が発生し燃え広がったら無理に消火しない!
なぜやってはいけないのか?
火災が起こったときは、無理に消火しないでください。
見極めポイントは、天井まで炎が燃え広がり、周囲に煙が充満しているような状態になっていたときで、すぐに避難行動を起こしてください。
近くに消火器があったとしても、すでに火が周囲に燃え広がっているような状態なら、無理に消火せずに、「家事だ−!逃げろ!」と大きな声で叫んで、すぐにその場所から避難してください。
どうすればいい?対処法いろいろ
消火器が利用できるのは、炎が小さいときのみです。自分の背丈よりも小さな炎なら、消火器ですぐに消火できます。
しかし、すでに炎が天井までに達し、煙がもうもうとして周囲が見えなくなってきているなら、すぐに逃げるようにしましょう。
逃げるときは、煙を吸うと危険です。できる限り煙を吸わないように低い姿勢で移動し、鼻や口などもハンカチやタオルで覆うようにしましょう。
頭を保護する防災用ヘルメットも必要です。
室内でも裸足で歩いてはいけない!
なぜやってはいけないのか?
地震発生後、キッチンにある大きな食器棚や棚の上に置いてあった食器やガラスなどが落下し、尖った破片が周囲の床に散乱している恐れがあります。
室内だからといって、不用意に裸足で歩くことなく、必ずスリッパを履いて室内を移動しましょう。
もちろん靴下もしっかりと履いてください。
自然災害発生後の火災で逃げるときや避難時に足を怪我してしまうと、行動が遅れてしまいます。
避難行動が遅くなると、命を落とす危険性が高まりますのでご注意ください。
どうすればいい?対処法いろいろ
時間のあるときに、食器棚やガラスには、飛散防止フィルムを貼り、その他有効な大型家具の転倒防止対策を実施してください。
地震発生後も飛来物が飛び込んでくる恐れがありますので、出入り口を確保し、カーテンやブラインドは下ろしておきましょう。
窓が割れた後も、風圧で別の窓ガラスが割れたり、屋根や天井が吹き上がったりすることがあります。
スリッパは、通常のスリッパでも問題ありませんが、かかと全体がホールドされるスリッパをいつも履いていると、突然の地震発生時で足の裏を怪我する確率が下がるでしょう。
まとめ:地震時にやってはいけないことはその理由をしっかり理解して事前に予防策を施すことが重要!
突然地震が起こったときに冷静に落ち着いて対処できるなら何も問題ありませんが、その現実に直面すると、全てがうまくいかなくなってしまうことがあります。
そうならないためにも、地震があったときにやってはいけないことをもう一度思い出し、事前にできる限りの防災対策をやっておくようにしてください。
特に地震後にマンションなどの高層の建物内で火災が起こったときは、消火する暇もないことが多いので、とにかく安全に逃げることを優先してください。
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