災害時、本当になくて困ったものとは?

2011年3月11日、東日本大震災が発生し東北地方を中心に未曽有の被害を出し、多くの方が被災しました。それ以後も、度重なる豪雨災害や台風による被害、豪雪による被害など日本の人々は様々な災害に直面しています。

災害発生時には今まで使用できていた電気・ガス・水道といったインフラが使用できなくなり、困ったことが多発します。今回は災害時に本当になくて困ったものについてまとめます。

目次

災害時に不足して困ったもの

災害時にはあらゆるものが不足しますが、特に困るのは生活に必要な品々が不足した場合です。被災した時に不足して困った食料品や水、ガソリン、衛生用品、乾電池、メガネ、医薬品、元気などについてまとめます。

食料品・水

まず、不足して困ったものは食料品や水です。東日本大震災のような広域災害が発生すると備蓄していた物資をすぐに利用できない可能性があります。水や食料があってもそれを取りに行く人が居なかったり、現場が混乱していてすぐに配給の段取りが取れないこともありました。

そのことから、少なくともある程度状況が落ち着く被災3日後までの食料備蓄が推奨されています。3日間の間は人命救助が最優先となるため、被災者対応が十分行えない可能性があるからです。

単純に3日分の食料と水があればよいというわけではありません。水は飲む以外にもトイレなど様々な場面で必要とされる衛生用品でもあります。さらに、被災した時期が夏場であれば手元にある水を使って暑さをしのぐ必要も出てきます。

行政機関や自衛隊などの支援が行き届き始めるまで、外部からの援助が無くても耐えられるだけの食料品と水は備蓄しておくべきでしょう。

ガソリン・灯油

地方に住んでいて交通手段が自家用車である人にとって、ガソリンの不足は深刻な問題となりました。震災時、大きな被害を受けた仙台市はもちろんのこと、周辺各県では仙台市からの物資供給が途絶え、被害がないにもかかわらず食料品・ガソリンなどが不足しました。

被災から時間がたち、被害状況が明らかになってもガソリン不足の解消はなかなか進まず、地域によっては1カ月以上も給油制限が行われた地区がありました。

寒冷地であれば灯油の不足は死活問題です。北海道や東北地方・北陸地方のような冬季に積雪する地域では石油ストーブを使用していることが多く、灯油不足に陥ると深刻な問題になりかねません。

また、石油ファンヒーターを使用する場合は燃料に加えて電気も必要です。停電が解消されるまで使用できませんので、停電対策の暖房も必要となるでしょう。

衛生用品

トイレットペーパーを始めとする衛生用品も災害時には不足しがちです。トイレットペーパー以外にもウェットティッシュや簡易トイレ・マスク・消毒液・歯ブラシなども必要です。簡易トイレが必要な理由は断水時に家庭のトイレが使用できなくなるからです。

タオルやひざ掛けなどの防寒用品も用意したほうがよいでしょう。防災グッズの中にアルミシートを用意している場合は防寒用品の代わりとなりますので、そちらで間に合わせることもできます。もちろん、女性用の生理用品も欠かせません。

ただ、これら衛生用品は災害発生時におきがちなデマなどによる買い占め行動の対象となりがちです。後から購入しようとしても手に入れにくいことが想定されるので、事前に備蓄しておくとよいでしょう。

乾電池・モバイルバッテリー

乾電池やモバイルバッテリーは災害時に重要な役割を果たします。私たちの生活で大きな役割を担っているのが電力ですが、大規模な災害が発生すると長期間の停電に見舞われることがあります。

2018年9月に発生した胆振東部地震では北海道全域の電力が失われるブラックアウトが発生し、全道の295万戸が停電となりました。停電から2日後に99%の電力が回復しましたが、丸2日間の停電により北海道全域が大混乱に陥ります。

こうした状況の中、情報を得るために活用されたのがスマートフォンやラジオでした。しかし、停電のためバッテリーを充電することができず、人々は電力を求めて各地を右往左往する羽目になりました。

また、乾電池の備蓄がなかった家庭では懐中電灯の電池切れやラジオの電池切れ等を心配しながら不安な2日間を送らざるを得ませんでした。せっかくの防災用品も乾電池や充電がなければ活用できないことも多いので、乾電池・モバイルバッテリーは災害用として備蓄しておいた方がよいでしょう。

メガネ・コンタクト

災害時に意外と困るのがメガネやコンタクトレンズの問題です。日本人の多くが近視の問題を抱えており、メガネやコンタクトレンズを使用しています。

しかし、災害が発生するとコンタクトレンズを手に入れることが難しくなります。その理由は流通全体が混乱するからです。かといって同じコンタクトを長期間使用していると目に問題が出ることもあります。

メガネの場合も同様で、災害時に破損してしまうと新しく調達することが困難です。非常時に目が見えないというのは死活問題ですので、予備の眼鏡を用意して防災袋などに入れておくとよいでしょう。

医薬品

医薬品、特に常備薬の不足は深刻な問題をもたらします。たとえば、高血圧の薬など個人の症状によって欠かすことができない薬などが不足すると健康を維持できなくなる可能性があります。

それだけではなく、鎮痛解熱剤や風邪薬といったものも不足しがちです。避難所で必ず用意できるとは限りませんので、自分で買いそろえられるものは救急箱などに入れていつでも持ち出せるようにしておきましょう。

現金

意外と困るのが現金の不足です。キャッシュレスが浸透しているため、現金を持ち歩かない人が増えているかと思います。しかし、停電になると店舗の電気が使えないため、キャッシュレス対応機器が使用不能となり、口座にいくらお金があっても購入できないという事態になります。

それならば現金を下ろせばよいと考えますが、それも困難です。なぜなら、ATMも電気で動くため停電中は使用できないからです。実際、停電中にスーパーに買い出しに行くと現金が不足して唖然としている人が大勢いました。

加えて、1万円のような高額紙幣も災害時には使いにくくなります。レジが使用できず、お釣りの計算に時間がかかるからです。必要な物資を手早く手に入れたいのであれば、小銭を用意する必要があるのです。

備蓄の工夫

災害時に重要なのは、備蓄した物資がすぐに使える状態であるかどうかです。せっかく食料や水を用意しても消費期限切れであれば利用できない可能性があるからです。ここでは、食料品のストック方法や現金の確保についてまとめます。

食料品の「ローリングストック」

災害に備えるためには長期間保存できる食料を常備する必要があります。たとえば、数年間の保存に耐えられるアルファ米や缶詰パン・乾パン・レトルト食品などがあげられます。羊羹のようにそもそも長期間保存できる食材も候補に入ります。

しかし、ストックしておいた食材はいつかは賞味期限を迎えてしまいます。いざというときの賞味期限切れを防ぐ方法が「ローリングストック」です。

ローリングストックは日常生活で常備した食料の一部を使用し、不足分を絶えず補って賞味期限が切れる前に備蓄食料を入れ替える方法です。定期的に備蓄食料や水をチェックし、賞味期限が近いものから使った方がよいでしょう。

「災害貯金箱」の活用

「災害貯金箱」という商品はありませんが、災害時に備えて小銭をためておく貯金箱は用意したほうがよいでしょう。先ほども述べたように、災害時には高額紙幣が使用しにくくなりますので、手元に小銭があった方がスムーズに買い物ができるからです。

まとめ

今回は災害時、本当になくて困ったものについてまとめました。書いている著者自身が東日本大震災や北海道胆振東部地震の影響で物不足に苦しんだ経験がありますので、実際に困った経験を中心にまとめています。

2022年9月24日、台風15号が静岡県を中心に大きな被害をもたらし、静岡市清水区などでは断水が続きました。災害は他人事ではなく、いつなんどき巻き込まれるかわかりません。その時に備え、必要な物資を備蓄しておく必要があるのです。

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