お住まいの地域が地震や台風などの自然災害の被害に見舞われたら、まずは身の安全を確保し、安全な場所に逃げてください。
もちろん、普段からも考えられる各種災害に備えてのしっかりとした準備を行う必要があります。
今回は、災害時や非常時に問題となる、「トイレ」のお話です。
災害時以外にも緊急時や非常時に、大便や小便などの用を足すのに必要な「簡易トイレ」もすでに重要な防災グッズとして認められており、100円ショップやアウトドアショップ、スーパーなどでもすぐに購入できるようになっています。
今回は、非常時に役立つ簡易トイレについての知識と備蓄用の簡易トイレの選び方や何日分必要なのか?などの素朴な疑問について解説していきます。
非常時に助かる「簡易トイレ」とは?
大地震や洪水などで、突然停電や断水が起こることも不思議なことではなくなってきています。
高層マンションなどでは、たちまち多くの世帯で水が使えなくなって困ってしまうでしょう。
無理にトイレを使うと、排水パイプが破損して、近隣住民にもご迷惑をおかけすることになりますので、非常時には「簡易トイレ」や「携帯トイレ」を準備して、必要時にきちんと使用するようにしましょう。
水道が使えないとトイレもできない!
地震が発生すれば、水道管が破損して断水することがあります。
また、大雨や集中豪雨などで、下水道の処理能力を超えると、排水処理ができなくなってトイレが使えなくなってしまうことがあります。
水や食料の備蓄は大変重要ですが、もう一つ忘れてはならないのが、「災害時のトイレ」の問題です。
簡易トイレは何日分必要?
大人の排便回数は、1日1回、トイレの利用回数は大便と小便を合わせれば、1日5回程度だといわれています。
大便を中心に使用するなら、1~3日分の簡易トイレを用意すればいい、ということになります。
しかし、ご家族が多い場合は、その人数分の簡易トイレが必要になります。
また、「南海トラフ地震」などの被害の規模が大きいと予想される震災に対しては、簡易トイレの備蓄も1週間以上は必要となります。
このような理由から、簡易トイレは、長期保管できる製品をまとめて購入しておいたほうがいい、ということになります。
意外と多い一日にトイレを使う回数
日常生活では1日に何回トイレを使っていますか?
個人差もありますので、少し思い出してみてください。
平均すると、1日あたり4~7回もトイレを利用しているはずです。
災害時や非常時は、水もあまり使用できません。
飲み水や生活用水は貴重なものとなるため、トイレはあまり使用できなくなるかもしれません。
トイレを使いたくても使えないとしたら、我慢しなければなりませんし、1日数回しか利用できない恐れもあります。
そうなっても困らないように、一人1日5回分の簡易トイレを用意し備蓄するようにしましょう。
避難所のトイレは汚くて使えないケースも
大規模災害が起これば、学校や体育館などの公共の避難所のトイレも使用できなくなります。
仮設トイレの設置まで、最短だも3日間は待つ必要があります。
また、トイレが使えたとしても、行列ができ、周辺は汚物の山になってしまう恐れもあります。
気分の悪い臭いが充満し、感染症も増えますので、手洗いや消毒なども徹底しなければならないでしょう。
災害時の避難所のこのような状態を想定するなら、簡易トイレもあらかじめしっかりと準備・備蓄しておくべきです。
どのようなタイプの簡易トイレがいいか?選び方は?
簡易トイレを選ぶには、どのような点に注意すればいいのでしょうか?
簡易トイレにもいろいろなタイプがあります。
自宅用なら便座を使う簡易トイレがおすすめですし、屋外や外出先なら携帯用トイレなどが持ち運びに便利だからです。
保存期間にも注目し、10年程度使える製品がおすすめです。
防臭処理ができる簡易トイレ
簡易トイレを使用した後は、汚物となりしばらくは自宅などに保管する必要があります。
臭いや雑菌なども気になりますので、防臭効果の高い凝固剤を使用した袋が付いているタイプがおすすめです。
値段の安い簡易トイレは、凝固剤などがなく、袋だけを購入することになるため、トイレの後の臭いの問題に悩まされることになる点にご注意ください。
中身が見えないようになっている点も重要です。
自宅で便座にセットして使う備蓄トイレ
自宅で備蓄するなら、便座にセットして使い、凝固剤を使って防臭できるタイプの簡易トイレがおすすめです。
汚物は、しっかりと袋の口を結んで燃えるゴミの日に捨てることができます。
また、コンパクトな組み立て式で、ひじかけや背もたれがついた簡易トイレも販売されています。
便座を使わない携帯トイレ
便座を使わないタイプの携帯トイレは、コンパクトにまとまっており、バッグの中や車の中にも入れておくことができます。
もちろん、渋滞時やトイレが使えなくて困っているときにも使用できます。
水が使えないのでウェットティッシュなどが便利
トイレが使えない場合は、水道水も使えない状態になっています。
大便後もすっきりとしたいなら、おしりふきやウェットティッシュなどで身体や手足を拭くように、トイレ後も身体をきれいに拭いて、衛生面の維持には十分にご注意ください。
衛生状態の悪いトイレを使うとよくない理由
大地震などの大規模災害時を経験した人は、避難所などでのトイレの問題で頭を悩ませていました。
停電や断水は、大規模な災害ではない場合でもいつでも発生する恐れがあります。
復旧工事や仮設トイレの設置までしばらくはまともなトイレが使えません。
一週間以上使えなくなってしまう恐れもあります。
避難所のトイレは多くの方が利用し、臭いが強く、衛生状態もあまりよくない恐れがあります。
不安でストレスが溜まって、トイレもあまりできなくなる恐れもあります。
仮設トイレでもあまり使用すべきではない!
多くの人が集中して使うため、臭いや汚れがひどい状態です。
衛生環境が悪いのに清掃もできない状態ですので、無理に使用すると逆に体調を崩す恐れがあります。
胃腸炎やノロウイルスなどの感染症にも罹る恐れがあります。
トイレを我慢すると病気にかかりやすい!
トイレが使えない、トイレが汚いから行きたくない、
となると、トイレを我慢するしかありません。
食事や水分の補給なども控えるようになれば、今度は健康に注意しなければなりません。
水分が不足すれば、確実に身体は脱水症状を起こします。
また、膀胱炎などの尿路感染症、循環不全(肺塞栓症)などの症状を引き起こします。
エコノミークラス症候群を発症するケースも
身体の脱水状態が続くと、血液の粘度が上がり、エコノミークラス症候群を発症しやすくなりますのでご注意ください。
特に狭い車内での車中泊を行うと、血栓が生じやすく、エコノミークラス症候群や循環不全(肺塞栓症)で命を落とす確率も高くなりますのでご注意ください。
まとめ:災害時・非常時にあると助かる「簡易トイレ」の準備も忘れずに!
災害時や非常時に限って起こるトイレの問題は、一人3日間~1週間分の簡易トイレや携帯トイレの備蓄で解決できます。
仮設トイレの衛生状態が必ずしもよいものではないため、トイレを我慢しすぎて病気になってしまわないように十分にご注意ください。
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