突然、お住まいの地域が地震などの自然被害に見舞われたら、まずは安全な場所に逃げることを優先すべきです。
しかし、実際に何をすればいいのか、どこに逃げたらいいのか、ということがわからない状態では助からないこともあるでしょう。
突然の災害にも慌てずに対応できるように、普段から災害を意識し、2次被害などの防災に関する正しい知識を身に着けてください。
代表的な自然災害である「地震」が起こった時は、まず正確な状況確認を行うことはもちろんですが、想定される2次災害を避けるためにも、あらかじめ考えていた対策を実行するといいでしょう。
ここでは、地震発生時の2次災害の知識と2次災害予防のためにできることをまとめてお伝えしていきます。
地震発生後に想定される2次災害とは?
2次災害とは、最初に発生した地震などの災害の後に、その災害が原因となって別の災害が発生するということを意味しています。
例えば、地震が起こったら、火災、海沿いなら津波、地割れ現象、地盤が緩いところでは液状化現象などがよく起こります。
火災
地震で一時的に助かったとしても、後から起こる火災には対応しきれず、逃げ遅れて焼死してしまう方が続出します。
地震発生時に強風が吹いていると、無数の多発する火災が広範囲にわたって燃え広がっていき、火災の被害を拡大させます。
火災の原因は、電気配線のショート、暖房機器の転倒、火を使う工場での引火・爆発など、数え上がればきりがありません。
津波
津波は、その強力なエネルギーによって海沿いのオフィスや工場などを、一気に浸水させ全てのものを洗い流して破壊する恐ろしい地震の2次災害です。
津波のエネルギーは、海底の断層のズレが大きいほど巨大な波へと増幅されていきます。
建物が流されるだけではなく、屋内の設備機器や電子機器、自動車なども浸水して全く使えなくなってしまいます。
津波のスピードは遅いようで早く、一気に押し寄せてきますので、パニックになって逃げ遅れないように冷静になって行動しなければならないでしょう。
地割れ
地盤が弱いところでは、地震によって地面に大きな亀裂が入る、「地割れ」現象が起こります。
地形が全く変わってしまうことがあります。
地割れが大きなものだと、足や体ごと落下したり、クルマが車体ごと落下したりすることがあります。そのまま動けなくなって、命を落とすこともありますので細心の注意が必要です。
液状化現象
地盤が緩いところでは地割れが起こりますが、さらに水分が増えて地盤が弱くなる「液状化現象」も発生します。
液状化現象が起こると、建物が地面に沈んだり、マンホールが浮き上がったりします。
地盤の緩い土地といえば、埋め立て地です。
埋め立て地に工場や倉庫などを建てていると、液状化現象で建物が沈んで傾きます。建物から外に人が出られなくなったり、無理に外に出てケガをしたりする恐れがありますので、こちらも要注意でしょう。
さらに注意しておきたい地震による2次災害
上記の前項でご説明した2次災害は、自然現象でしたが、こちらでご説明する2次災害は、人の体や人為的な物から発生する2次被害です。
予想しにくい2次被害ですが、できる対策もきちんとありますので、慌てずに実践するようにしましょう。
電気ガス水道などのライフラインが遮断される!
大規模な地震によって、被害を受けた周辺一帯のライフラインが一時的に止まってしまいます。
特に困るのが、電気・ガス・水道などのインフラ設備の損傷です。
一度地震が発生した後も余震が何度も起こるため、ライフラインがすぐに復旧することはまれです。復旧までにかなりの時間を要し、被災者は長期間の避難生活を余儀なくされることが予想できます。
また、食料などの外部からの支援物資もなかなか届かないだけではなく、全員に行き渡りにくい状況に陥っています。
車中泊などの同じ姿勢で寝泊まりする場合は「エコノミークラス症候群」にご注意
地震が発生すると、避難所などの共同で生活する場ではなかなか眠れないことから、自分の車の中での車中泊を行うことがあります。
狭い場所で同じ姿勢で座っていたり、寝ていたりすると、「エコノミークラス症候群」を発症することがあります。
エコノミークラス症候群は、同じ姿勢にいるために、静脈に血栓が生じ、肺の血管を詰まらせる病気です。
エコノミークラス症候群になると、呼吸困難、胸痛、発熱、発汗などの症状が出て、死に至ることもありますので、十分な注意が必要でしょう。
火災や津波が発生した後の行動が生死を分ける!
地震による2次被害がわかっているなら、火災を防ぐためにも、使っていた火を消し、電気機器を全てストップし、ブレーカーも落としてください。
特に電気機器や配線のショートが火災の原因となるからです。
津波が起こると想定されている場所では、津波が来る前に急いで指定された高い場所に避難してください。
災害時は考える時間がないので、普段から防災を意識し、どのような行動をすべきかを考えておくと迷うことはないでしょう。
事前にできる地震による2次災害対策
地震発生時の2次災害は、あらかじめ予想できますが、想定外の事態に発展する恐れもあります。
しかし、それでも事前にできることはしっかりとやっておき、自分の命を守ることを優先してください。
避難場所やそこまでのルートを事前に確認しよう
予防対策の第一は、避難ルートや避難場所を確認することです。
自治体が指定する避難所をいつも意識し、どうやって逃げるのかをしっかりと確認してください。
情報収集やハザードマップの確認
災害時は、嘘の情報も流れますので、スマホやラジオ、テレビなどをしっかりと確認し、被害状況や避難場所についての情報収集をしっかりと行うようにしましょう。
さらに、「ハザードマップ」といって、過去の災害履歴を確認し、同様の災害での被害状況、避難場所、避難経路などを確認してください。自治体や国土交通省のホームページなどで確認できます。
2次災害別のマニュアルやチェックリストなどの行動計画を作っておく
地震後、2次災害が起こった時の防災マニュアルやチェックリストを作っておきましょう。
防災マニュアルやチェックリストは、サンプルを参考に必要な項目を取捨選択し、自分にとって重要度の高いものに絞ってください。
行動計画に基づいた避難訓練を何度も実施
防災訓練は必須です。突然の防災訓練に驚くことがありますが、急に地震などの災害が起こった時に計画通り行動できるのかどうか?を再確認してください。
無理な計画は、防災訓練でもはっきりとわかりますので、再検討してください。
防災グッズの準備
大規模災害時に3日間以上生き延びるための最低限の防災グッズを確保しておきましょう。
ライフラインがすぐに復旧するわけではありませんし、人命救助まで1週間近く一人で待ち続けることも予想されるからです。
まとめ:地震が起こったら事前準備を徹底して2次災害をできる限り防ぐ!
今回は、地震発生時、慌てずにまずチェックしてほしいこと、2次災害を防ぐためにできること
をテーマにわかりやすく整理しました。
大規模災害時は、咄嗟の判断が生死を分ける恐れもあります。
事前にできる2次災害対策も、想定外なら役に立ちません。
それでも、生き延びるためにできるあらゆることを想定しながら、地震などの自然災害や2次災害の予防を怠らないようにしてください。
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