毎日の通勤や通学で、安全第一の乗り物である電車などの乗り物に乗っていたとしても、地震や台風などの自然災害で突然ストップすることがあります。
どんな時でも、もしもの災害に備えてのしっかりとした準備が必要です。
突然の災害にも慌てず冷静に対応できるように、普段から防災を意識した備えを行う必要があるでしょう。
大地震が起これば、電車も脱線したり、転覆したりする恐れがあります。
電車内にいて、大地震などの自然災害が発生した時はどうすればいいのでしょうか?
ここでは、電車の事故でもできる限り生き残り、車外に避難する際の注意点などについて簡単に解説していきます。
乗車中に地震に遭遇した時はどうなる?
鉄道の事故や大地震が起これば、電車は自動でストップするようになっています。
しかし、揺れや衝撃が大きければ、車両が脱線したり転覆したりする恐れがありますので、ご注意ください。
列車が緊急停止する
乗車中に大きな地震が発生した場合は、地震を感知した時に列車が緊急停止します。
実際に地震が起こる前に緊急の地震速報などと連動しながら、できる限り被害の拡大を防ぐためにも、安全な緊急停止システムを導入しています。
新幹線など、通常よりも高速で運行している車両の場合は、緊急停止によって大きな衝撃を受けることがありますのでご注意ください。
座っている時も落下物に注意!
列車に乗っている時は、つり革や手すりにしっかりとつかまってください。
たくさんの人が乗っていると、緊急停止によって将棋倒しになってしまいます。
また、網棚などから重い荷物が落ちてきます。
座っている時も油断してはいけません。
足を踏ん張り、上体を前かがみにし、頭はカバンなどで保護するようにしましょう。
パニックになることが多いので係員の指示に従うこと
パニックになって、勝手に窓やドアを開けて飛び出さないようにしてください。
高圧電線が線路脇に設置されていることが多いので、感電することがあります。
また、電線が切れて垂れ下がっていて、感電する恐れもあります。
列車が完全にストップしていない場合は、対向列車がまだ走っている恐れがあり危険です。
安全だと言われる地下鉄もむやみに車外には出ないこと
地下鉄の場合は比較的安全だといわれていますが、強い揺れを感じたら、転倒しないように手すりやつり革にしっかりとつかまってください。
いきなり車外に出ると、高圧電流に触れて感電する恐れがありますので、乗務員や係員の指示を待ってください。
車内でとっさにできる安全対策とは?
次は、地震の発生や事故などで列車が緊急停止した場合に車内でできる安全対策についてご説明していきましょう。
普段から先頭車両は避ける
列車が脱線や衝突した場合、先頭車両に乗っていると危険です。スピードを出していると、衝突時車両自体が圧縮されて大変な事故になってしまいます。
そのため、先頭車両に乗ることは、普段から避けたほうがいいと考えられます。
座っている時は頭部をしっかり保護
電車の座席に座っている時は、クルマのようにシートベルトでしっかりと身体を固定しているわけではありません。
座っている時ほど油断することなく、低い姿勢を取って、頭部をカバンや雑誌などでしっかりと保護してください。
車両内ならドア付近が安全
満員電車なら大勢の人の将棋倒しによる「圧死」の危険性が高まります。
人がぶつかってきて、押しつぶされるような感じです。
車両内にいて、安全なエリアとして考えられるのは、意外にも「ドア付近」だと言われています。
ドア付近は車両内の人の圧力を受けにくく、その場に身体を固定していると、圧死の危険性を減らすことができます。
同じ意味で「長いすの両端」も比較的安全な場所だと言われています。
立っている時はつり革や手すりにつかまること
立っている時は、大勢の人の将棋倒しに注意しながら、つり革や手すりにしっかりとつかまってください。
車両が横転するようなことがあれば、頭部の保護を優先し、何かにつかまりながら体勢を保持し耐えるようにしてください。
安全確認後車外に避難する際の注意点
地震や事故などで車両が緊急停止したとしても、すぐに車外に出ないようにしてください。
窓から勝手に飛び出してしまう方もいますが、大変危険です。
必ず安全を確認した後に、乗務員の指示で車外に避難するようにしましょう。
乗務員の指示に従うのが原則
大きな揺れの地震発生直後や鉄道事故の発生後は、慌てずにその場で乗務員からの連絡を待つようにしましょう。
災害や事故の現場の確認などを行い、安全が確認できないと列車は動きません。
対向列車にも異変を知らせ、二次災害をできる限り防ぐ必要もあります。
車内で怪我をしている人の救助なども必要となりますので、すぐには車外に出ていかないようにしてください。
車内放送や駆けつけた車掌や駅係員は、「車外へ出ないように」と繰り返し案内している間は、その場で静かに待つようにしてください。
周囲の列車の運行がストップし、送電なども停止されていなければ、乗客の避難誘導や負傷者の搬送は始まりません。
避難開始までは、数十分〜数時間かかることもありますが、安全確保ができるまで、乗務員や駅係員の指示を待ち、勝手に行動しないようにしてください。
避難用梯子や座席シートを利用して安全に車外へ出る
大地震や事故の発生で、緊急停止した車両がそのまま停止した状態で長時間運行できない場合は、避難用の梯子や座席シートなどを利用して、車外に避難できるようになっています。
座席シートは、シートを組み合わせて、転落防止の枠がついた緩やかなスロープをドア開口部に作って、乗客の避難を誘導します。
新しい車両になると、床下に伸縮式の避難梯子が格納されていることが多く、ドア開口部に簡単に取り付けられるようになっています。
軽量で簡単に利用できますが、取り扱い方法は、毎年訓練を実施している乗務員や駅係員のほうが慣れています。
こうした理由からも、必ず駅乗務員の指示に従いながら車外への避難行動を行うようにしたほうが、安全に逃げることができるのはいうまでもないでしょう。
「非常用ドアコック」の利用は危険
車両内には、「非常用ドアコック」が備え付けられており、緊急時には手動でドアを開けることができます。
しかし、いきなり「非常用ドアコック」を使用すると、列車が緊急停止する仕組みになっています。
勝手に使用すると大変危険です。
先に「車内通報ボタン」を押して、乗務員に連絡を入れたうえで、使用するべきかどうか聞いてください。
勝手に車外に出ると、対向列車に巻き込まれて死亡したりする可能性が高いからです。
避難や避難経路について何もわからないのであれば、車外に出ても逃げ場がありません。
必ず乗務員の指示に従うことが重要です。
「非常用ドアコック」「車内通報ボタン」は、各鉄道会社によって見た目や使い方が少し異なりますので、普段使う電車内での位置やどうやって使うのか、といったことは事前に確認しておくだけに留め、勝手に使用しないようにしてください。
まとめ:災害時電車内で災害に遭った時は安全確認後乗務員の指示で車外へ避難!
鉄道事故以外では、電車内でも大地震や火災などの自然災害に遭遇することがあります。
車内でも、ご自身の身体をしっかりと保護しながら、安全を確保し、乗務員や駅係員の指示で車外へと避難してください。
間違っても、ドアをこじ開けて勝手に車外に飛び出して行かないようにご注意ください。
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