最近では日本のあちこちで、地震や台風などの自然災害が起こることが増えています。
ご家族がいらっしゃる場合は、もしもの災害に備えてのしっかりとした準備が必要です。
突然の災害にも慌てず冷静に対応できるように、普段から防災を意識した準備や備えを行う必要があるでしょう。
そして、忘れてはならないがの、震災時のトイレの問題です。
震災時は断水し、トイレが使えなくなったりします。
避難所でもすぐに仮設トイレが設置されるわけではありません。
公衆トイレなどもすぐにいっぱいになって、感染症や体調不良の人が増えます。
震災直後の約3日間はトイレの問題をどう解決すべきか、誰もが頭を悩ませることになるでしょう。
そこで、台風、地震、豪雨などの災害時に、ご自身はもちろん、大切なご家族を守るためにも、トイレが使えない時や簡易トイレなどの備蓄も足りなくなった時の対処法について、こちらで解説していきます。
災害時トイレが使えない時はどうする?
災害時は、人口の多い都市部はもちろん、避難者が集中するような場所ならトイレもすぐにいっぱいになって使えなくなってしまいます。
多くの自治体でも災害用の仮設トイレを用意しますが、現段階で不足すると予測している自治体も3〜4割程度あるため、トイレの問題は自治体任せにせずにご自身でも解決しなければならない場合がある点にご注意ください。
自治体が用意するトイレでは足りないケースがある!
震災時に自治体が用意する災害用のトイレは、自治体によってその対応がまちまちです。
十分に足りている自治体もあれば、不足する恐れがある、とする自治体もあります。
避難者数が膨大な数になれば、備蓄していた簡易トイレなどもすぐになくなってしまうでしょう。
仮設トイレを設置したとしても、利用者数がオーバーすれば、すぐに使えなくなってしまいます。
無理に不衛生な環境にあるトイレを使用せず、ご自身で準備した簡易トイレや携帯トイレを利用するようにしましょう。
断水が続き不衛生で逆に体調を崩す恐れがある
震災時は、断水して、水が使えなくなって、トイレなども利用できなくなる恐れがあります。
不衛生なトイレに行って、逆に気持ちが悪くなって体調を崩したり、感染症にかかってしまったりすることもありますので、特に用心しなければならないでしょう。
仮設トイレが設置されるまでには、災害の状況によってはかなりの時間がかかることがあります。
そのような場合でも、まずはご自宅に簡易トイレや組み立て式の仮設トイレを備蓄しておくことが基本です。
簡易トイレや組み立て式の仮設トイレが活躍する?
簡易トイレや携帯トイレは、自宅にある便器を利用して排泄するものです。
まずは、こちらを準備するようにしましょう。
もちろん、大人一人がトイレを利用する回数をよく考えて、3〜7日間ほどの備蓄量が必要です。
ご家族がいれば、その分だけ簡易トイレを用意しなければなりません。
トイレができないだけで、体調を崩す恐れもありますので、必要な量はしっかりと準備しておきましょう。
しかし、自宅での避難生活が長引いたり、すぐに衛生用品が入手できなくなったりすれば、別の方法でトイレをするしかなくなってしまうでしょう。
簡易トイレや携帯トイレの備蓄は多めに
震災時は断水でトイレが使えなくなってしまう恐れがあります。
災害用の簡易トイレは、最低でも3日間は用意しておくべきです。
多くの人が利用するトイレに行くと、コロナウイルスや胃腸炎などを発症する恐れがあり大変危険だからです。
便器に取り付けて使う「携帯トイレ」
断水時でも洋式トイレなどにも使えます。
袋状のシートを便座の下に挟んで利用し、水が出ない場合や排水できない場合でも問題ありません。
大小便は吸収シートや凝固剤で固めて一時的に保管し、ゴミとして処分します。
備蓄すべき量は意外と多い!
備蓄すべき簡易トイレや携帯トイレは、大人一日のトイレの平均回数を元に用意してください。
大人ならだいたい1日5回程度はトイレを利用しています。
最低3日間分ですが、多めに用意するなら1週間分です。
つまり、一人35回分の簡易トイレの備蓄量が必要です。
凝固剤を使うと使用後の処理が楽
衛生面を考えると、同じような簡易トイレでも、凝固剤が付属したタイプの製品が使用後の処理が簡単で、衛生にも十分に配慮できます。
吸収量や凝固継続期間など、性能にも違いがありますので、いろいろある簡易トイレの中からご自身の状況や使用環境に合ったものを選ぶようにしてください。
組み立て式の簡易トイレ
折りたたみ式やダンボール製で組み立て式の簡易トイレがおすすめです。
コンパクトに収納でき、簡単に組み立てられるうえに、持ち運びも簡単です。
座って用を足すことに慣れている方は、組み立て式の簡易トイレを利用してください。
素材もダンボールではなく、丈夫なプラスチック製などもあります。
トイレの備蓄が足りない時の対処法
簡易トイレや携帯トイレがなかったとしても諦めないでください。
どのお家にもあるものを活用すれば、立派な簡易トイレがすぐにできます。
ちょっと工夫すれば、トイレの問題もすぐに解決できますので、こちらでご紹介しておきます。
基本はポリ袋とトイレットペーパー
基本はポリ袋とトイレットペーパーがあれば、断水していても便器が使えるなら、簡易トイレと同じように排泄ができます。
ポリ袋は2枚使って、臭いができる限り外に漏れないようにしておきましょう。
液体の吸収には新聞紙や紙おむつなども利用可
トイレットペーパーがない場合でも、液体の吸収が目的なら新聞紙や広告の紙をちぎってポリ袋の中に入れて使用するといいでしょう。
また、代わりに紙おむつなどを利用しても問題ありません。
用を足し終わったら、ポリ袋の口はしっかりと結んで臭いや中の汚物が漏れないようにしておいてください。
災害時のゴミの処分方法については自治体の指示に従うようにしてください。
便器代わりにバケツやダンボール
震災時は、便器が壊れて使えなくなっていることもよくあります。
そのような時でも、バケツやダンボールがあれば、便器とほぼ同じ役割をしてくれます。
使用時は、無理な姿勢になってしまいますが、ダンボールを工夫すれば、便座と同じ形になるようにカッターやハサミなどで楕円形に切り抜いて使用するといいでしょう。
もちろん、ポリ袋を取り替えれば、何度でもトイレが利用できますので安心です。
臭い対策もしっかり行うこと
おしっこやうんこなどの排泄物は、トイレならすぐに流してしまいますが、ゴミとして一時的に保管するとなると、臭いの問題を解決しなければなりません。
長期間放置すると、周囲に嫌な臭いが拡散してしまうからです。
そのため、消臭効果のあるものを排泄物と一緒に入れておく必要があります。
例えば、粉末洗剤、重曹、漂白剤などです。
また、消臭スプレーなどがあれば、使用後に毎回きちんとスプレーしておきましょう。
まとめ:震災時はトイレの備蓄がなくても工夫すれば大丈夫!
震災時でも必ず必要となるトイレですが、簡易トイレ・携帯トイレなどをあらかじめ備蓄しておくことが第一です。
しかし、家にあるものを活用すれば、いくらでもトイレの代わりになるものを作ることができます。
例えば、ポリ袋、ダンボール、洗剤、新聞紙、トイレットペーパーなどを少し多めに購入して備蓄しておくだけでも、災害用の簡易トイレの代わりが十分にできる、といえるでしょう。
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