自然災害の脅威は一年中、夏も冬もその発生が予想できないだけに、突然逃げなければならないことになった場合は、クルマの中や避難所などの慣れない場所でしばらくは過ごすことになるでしょう。
ご家族がいらっしゃる場合は、もしもの災害に備えてしっかりと準備しておきましょう。
今回は、防災を考えるうえで忘れてはならない夏の時期の虫除け対策についての注意点です。
台風、地震、豪雨などの災害時では、避難所での避難生活が続きます。
避難所といっても、共同生活ですから、コロナ対策を行う必要もありますし、蚊やムカデ、ゴキブリなどの虫が大量に発生することがあります。
虫の発生をそのままにしていると、人が多く不衛生な状態の避難所内で伝染病が広まってしまうことがあります。
そこで、夏の防災用の虫除け対策について、一人ひとりが注意し、あらかじめできることについてご説明していきます。
虫除けよりも重要な夏の服装
まずは夏によく見かける虫にはどのようなものがあるのでしょうか?
人に害を及ぼす虫としては、蚊などがすぐに思い浮かびますが、その他にも人に害を及ぼす危険な虫はたくさんいます。
また、虫に刺されやすい体質の人もいますが、服装などにも気を配り、虫を寄せ付けないような対策を施すようにしましょう。
夏はどんな虫が現れる?
夏によく見かける虫といえば、ハエ、蚊、ゴキブリなどです。
ハエや蚊は、成虫を増やさないように水溜りなどを作らない、側に近寄らないようにしておくのが虫除け対策の第一歩です。
トカゲやヤモリなどを見かけても、退治せずにそのままにしておきましょう。
天然由来のハーブの種類によっては、蚊やハエなどを寄せ付けない効果があり、高い虫除け効果があります。
防災時に虫除けとして持っていくのは難しいとは思いますが、ハーブやアロマには虫除け効果があるということに関しては豆知識として知っておくといいでしょう。
肌を露出するような服装は避ける
すぐに蚊に刺されてしまうのも肌を露出するような服装をしているからです。
半袖、半ズボンは、暑さ対策には有効ですが、虫が多いような屋外や避難所など、場所によっては露出を抑えた服装に着替えたほうが無難です。
多少暑くても、虫除けのためにも長袖、長ズボンの服装に着替えるようにしましょう。
長袖や靴下も虫除けを意識したものを
長袖を着ているとどうしても暑くなってしまいますが、蚊に刺されるのを予防するためにも長袖の羽織物は体温調整にも大変便利です。
また、足首からも虫が侵入してくることがありますので、長ズボンの裾を絞ったり、夏でも長めの靴下を履いたりしたほうがいいでしょう。
虫を近寄らせない虫除け対策方法やグッズのご紹介
虫を近寄らせない虫除けグッズは、お近くの100均やスーパー、ホームセンターなどですぐに手に入ります。
有効成分をよく見て、携帯しやすく、高い効果のあるものを選んでください。
室内用の虫除けスプレー
部屋全体に防虫効果のある虫除けスプレーが販売されています。
部屋があまり広くない場所で使うと効果がありますが、避難所などの広い場所ではあまり効果がありません。
殺虫能力のあるスプレーは、人体に有害な場合もありますので、使用には十分にご注意ください。
薬剤を使う電池式蚊取り機
アウトドア向けに携帯しやすい電池式蚊取り機は、個人向けにはおすすめです。
電池や薬剤カートリッジはなくなると取替が必要ですから、長時間使用する場合は、災害時に使えなくなってしまうことがありますのでご注意ください。
いずれもいくつかの予備が必要です。
体に塗布する虫除けスプレー
殺虫効果はあまりありませんが、虫が寄り付かなくなるのでそこそこの虫除け効果があります。
身体に合う合わないといった問題や苦手な方も多いので、初めての使用にはご注意ください。
虫除けのシールやリングなどもありますが、その都度肌に塗布するタイプのほうが高い効果があります。
お子さんに使用する場合は、肌に優しい成分を使っているものを選んでください。
香料やアルコール成分は含まれていないものをおすすめします。
天然成分で安心の「ハッカ油」
天然由来成分のハッカ油で安心ですが、独特の臭いが気になってしまうことがあります。
臭いに敏感で苦手な方は、使用を避けたほうがいいでしょう。
火を使う蚊取り線香は避ける
危険な火を使いますし、独特な煙の臭いがしますので、人の多いところではNGとなることがあります。
例えば、大地震発生時は、余震などで蚊取り線香が床に落ちて、火災につながってしまう恐れがあるからです。
屋外などでは煙が見えて虫除け効果や有効時間などがわかりやすいので使ってもいいでしょう。
虫に刺された時はどうする?
虫に刺された時は応急処置が必要です。
蚊に刺された程度の痛みならすぐに処置できますが、蜂やムカデなど、毒を持つような虫に噛まれてしまった場合は、すぐに救急を求めるようにし、正しい応急処置を行うようにしてください。
虫刺され薬やかゆみ止めパッチを使う
まずは、手持ちの虫刺され薬を塗布するようにしてください。
必ずどのような虫に刺されたのかをよく確認してから使用してください。
効果のない虫刺され薬を使ってしまうと意味がありません。
また、肌に合うもの、合わないものもありますし、普段から使用している虫刺され薬で、携帯できるタイプの製品を選んで持ち運ぶようにしてください。
虫刺され薬にもいろいろな種類がありますが、液体や軟膏、ジェル、かゆみ止めパッチ、スティックタイプなど、屋外や避難時にも使いやすい製品がおすすめです。
お家にも一つ必ず常備しておいてください。
足の裏を拭くと虫除けができる!?
蚊に刺されやすいタイプの方は、足の裏に常駐菌がたくさんいると言われています。
もちろん、効き目には個人差がありますが、除菌シートや除菌ジェルなどで足の裏をしっかりと拭き、衛生対策と同時に他の有効な虫除け対策を併用し、虫刺され予防を徹底するのもいいでしょう。
虫刺され薬が効かない場合は救急を求めること
大型の蜂など、毒を持つような虫、今まで見たことのないような虫に出会い、刺されたり、噛まれたりしてしまった場合、一時的に気分が悪くなってしまうことがあります。
気を失ってしまった場合は、虫刺され薬では効果がありませんので、すぐに救急を求めるようにし、医療の専門家に診てもらい、応急処置を施してもらうようにしましょう。
まとめ:夏の防災で忘れてはならないのが虫除け対策!
夏には夏特有の防災対策・防災グッズが必要ですが、その中でも最も重要なものの一つが虫除け対策・虫除けグッズです。
もちろん、アウトドアや普段使用している虫除けグッズがあれば、防災時や避難時にも使用可能です。
ただし、場所によっては使用が制限されることがありますのでご注意ください。
できれば、携帯用や持ち運びに便利な虫除けグッズを使用するようにしましょう。
また、虫除け対策の基本として、虫に刺されにくい服装をすることや身体の衛生状態などには十分に配慮しなければならないでしょう。
一度でも虫に刺されてしまうと、不快な気分が半日程度続きますし、虫の種類によっては命の危険が心配されることもあります。
衛生状態を良好に保ちながら、コロナウイルス対策と併せて、夏は虫除け対策もしっかりとやらなけれならない、ということを再確認しておいてください。
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