地震などの恐ろしい自然災害に直面すれば、どんなに力のある人でも防ぐことはできないでしょう。
それよりも、各自できる限り安全な場所に逃げて、とにかく生き延びることを考えるべきです。
昔から地震などの自然災害が多い日本ですから、お住まいの地域が突然の巨大地震や津波などの影響で壊滅することも不思議なことではありません。
突然の災害時に用意できる水や食料は限られています。
普段から災害を意識し、正しい防災に関する知識を元にしっかり事前準備を行いましょう。
そこで、地震などの自然災害時に、人が飲まず食わずで生きられる時間はどの程度なのか?などの豆知識を知って、用意すべき食料の量や準備の際の注意点について解説していきたいと思います。
災害発生時、水や食料がないと人はどうなる?
防災対策や防災グッズの準備が完璧なら、いつ災害が発生しても落ち着いて行動できるでしょう。
しかし、仮に人が飲まず食わずで、生き延びなければならなくなった場合、それにも限界があるということをご存知でしょうか?
普段は元気な方であっても、災害時は気分が落ち込んでしまったり、パニックになってしまったりします。
いつもよりも気力も体力も消耗しますので、人の忍耐力にも限界があることを知っておいてください。
水や食料がなかったら3日間が限界!
水や食料がない状況で、まったく飲まず食わずで生きられるのは、実は「3日間」が限界だと言われています。
そして、これを時間にすれば、「72時間」です。
地震などの大規模な自然災害だけではなく、人命救助の際は、何らかの事故が発生した時点から72時間を超えると、生存率が大幅に低下することがわかっています。
逆にいえば、3日間を何とかやり過ごすことができれば、助かる確率があるという意味です。
3日間というと、本当に短い時間です。
水や食料がなかったら、極限状態にある人はすぐに死んでしまう恐れがあるという重大な事実をまずは頭に入れておいてください。
特に飲み水は重要
生きていくためには、とにかく水が大事です。
極限状態では、食べ物よりも飲み水のほうが大切だということを知っておきましょう。
人の体は、6~7割が水分でできています。
体内の水分を20パーセント失うと、それだけでも死んでしまいます。
2パーセントでも喉が渇いてしまい水を欲しいと思います。
5パーセントを失うと頭痛や体調不良を起こします。10パーセントを失うと筋肉が痙攣し、循環不全を起こします。
こうした理由から、まずは水分補給が最も大切だという意識を頭に入れておいてください。
食料がなかったら3週間
食料がなかったら、3週間が限界です。
水と食料は、生き延びるために大変重要です。水が確保できたら、少しの食料でも3週間程度は生き延びることができるでしょう。
災害時の備蓄食料は最低3日分が目安
飲まず食わずだと、人の命は3日間が限界です。
この期間を生き延びるためにも、最低限3日間の水と食料を準備しておかなければならない、ということになります。
3日を超えると人命救助のタイムリミット
飲まず食わずで何とか生き延びたとしても、事故や災害発生時から4日以上たっていると、生存率がかなり低いことから、場所や災害の状況によっては、救助を打ち切る可能性が高くなります。
つまり、4日以上たつと助けてもらえない可能性があるということです。
災害時に孤立した場合は、とにかく3日間は救助を信じて、今ある水や食料で頑張るしかありません。
3日間は用意した水や食料で頑張って救助を待つこと
人命救助のタイムリミットは3日間ですが、その後も救助活動を続けることがありますので、タイムリミットを超えても、わずかな水と食料があれば、生き延びられることになります。
少しでも生存率を上げるためにも、最低3日分の水や食料を手元に常備しておきましょう。
3日分の食料の備蓄とはどのくらい?
食べる量は人によってバラバラですが、一般的に3日間の食料の備蓄とはどのくらい必要なのでしょうか?
最も重要な水は、一人一日あたり3リットルです。この量は飲料用と調理用の両方です。
3日間だと9リットルも必要です。
食料は、成人一人一日あたり男性なら2,500キロカロリー、女性なら2,000キロカロリーです。
具体的には、お米・即席麺・乾パンなどの炭水化物3食分、缶詰・ソーセージなどの主菜3食分、味噌汁・ドライフルーツなどの副菜3食分が目安です。
3日分なら人数分の3倍を用意しなければなりません。
救助を待つ間はあまり動くことはないので、必要なカロリー摂取量ギリギリの食料の備蓄でも問題ないでしょう。
大災害の発生確率が高まっているからこそ1週間の食料備蓄を!
これまでの常識は、3日分の水と食料があれば、十分な食料の備蓄があると考えられてきましたが、今後は、「南海トラフ地震」「首都直下地震」などの、人の想像を超えるような甚大な規模の大災害が来ることが予想されています。
3日分の備蓄だけでは足りなくなってしまう恐れが出てきていますので、1週間分の水と食料の備蓄が必要だということが、防災アドバイザーからも指摘されています。
大災害時の生存率を上げるには食料の備蓄量を1週間分へ
大規模災害時は、お住まい地域全体が被災してしまうため、3日たっても行政の支援が難しくなってしまいます。
こうした理由から、生存率を上げるためにも、水や食料の備蓄量は1週間分へ変更すべきだという報告が出されています。
1週間分の食料の備蓄はかなり多い
前項でご紹介した大人一人3日分の水と食料の備蓄量は、すぐに用意できるものではありますが、これが1週間に増え、ご家族の人数分を用意するとなると、結構な量になります。
単純に3日分から1週間分へ量を増やせばいいのかといえば、そうではありません。
普段から防災に関係なく食べられるような食料を用意しておくことが重要です。
防災専用食は、普段から食べながら、ローリングストックを実践して、賞味期限が切れることのないようにしておきましょう。
また、調理せずに食べられる非常食や食料も普段から食べ慣れておくといいでしょう。
普段から災害を意識したローリングストックを実践すること
備蓄する水や食料を単純に2倍以上にするだけではなく、いつも以上に賞味期限を重視し、傷みやすい生鮮食品などは少し多めに購入しながらも、古いものから順に消費していくことが重要です。
また、偏った食事になると、気持ちも落ち込んでしまうので、バラエティに富んだ食料を用意するために、バランスを重視した食料選びを行う必要があります。
備蓄スペースも今まで以上に確保しなければなりません。場所の制約にも問題がありますので、ローリングストックをうまく活用しながら、常に新しい食材が残るような消費方法が必要になっていくでしょう。
まとめ:災害時、3日~1週間分の食料をしっかり用意しよう!
災害発生時、人が飲まず食わずで生き残れる限界は、たったの3日間(72時間)しかありません。
それ以上、生き延びるためには、必要最低限の水や食料をしっかりと備蓄しておく必要があります。
最低限は3日間ですが、大災害を想定すると1週間分の水や食料の備蓄が必要になってきています。
備蓄する量は多くても少なくても問題があります。賞味期限などもありますので、ローリングストックを実践しながら、普段から防災を意識した食事を摂るようにすれば、イザという時も慌てることはないでしょう。
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