身近な保険といえば「生命保険」が有名ですが、他にも病気やケガをしたときにかかった治療費をカバーできる「医療保険」と呼ばれる保険商品もあります。
民間の医療保険に加入する場合は、公的医療保険制度の存在を忘れないようにしてください。
多くの方は、国民健康保険の他、勤務先でも健康保険組合にも加入しています。
医療保険は、あくまでもご自身で備える保障となるため、必ずしも加入するものではないからです。
そこで「医療保険」の必要性を正しく理解したうえで、自分にとって本当に必要な保険商品ならしっかり加入すべきです。
医療保険に加入すべきかどうかを判断するためにも、医療保険の必要性、必要な人・不要な人の特徴、決め手となる判断方法といった保険を選ぶ前の基本的な知識について解説していきます。
本当に医療保険って必要なもの?
公的な医療保険があるのに、わざわざ民間の医療保険に加入する目的とはどのようなものなのでしょうか?
簡単にみていきましょう。
医療費が高額になったときに役立つ
公的医療保険でカバーできない場合は、自己負担での医療費の支払いが発生します。
一定の支払額を超えれば「高額療養費制度」などもありますが、月に数万円〜数十万円の負担が発生します。
もちろん、差額ベッド代、食事代、保険が適用されない治療費は、実費での支払いが必要です。
民間の医療保険に加入していると、医療費が高額になっても、実費での負担を大幅に減らすことができます。
ケガや病気の治療では一時的に仕事ができなくなる!
仕事を休んでしまうと、確実に収入が減少します。
数か月間以上かけて治療しなければならない場合は、収入の減少をカバーするためにも医療保険が重要です。
突然の病気やケガによる不安を軽減できる
交通事故は突然起こりますし、脳梗塞や心筋梗塞なら、突然倒れてそのまま入院しなければならないケースもあります。
突然の病気やケガによる将来の不安を軽減し、安心を得られるのは医療保険のおかげだといってもいいでしょう。
医療保険が必要な人の特徴とは?
病気やケガをしたときに金銭的な問題で治療を受けられない恐れがある場合は、医療保険に加入したほうがいいでしょう。
貯蓄が少ない人
収入がなく、貯蓄が少ない人は、医療保険に限らず、保険でいろいろなリスクをカバーすべきでしょう。
医療費を貯蓄する余裕がない場合は、医療保険に加入すれば、少ない保険料で病気やケガに対するリスクをしっかりとカバーできます。
自営業で社会保障が十分にない人
自営業者は、収入が多い場合もありますが、浮き沈みが激しく収入が不安定になる場合があります。
また、雇用されていないので、十分な社会保障もありません。
大企業のような有給休暇や傷病手当金などの制度が利用できないからです。
病気やケガで働けなくなった場合に備えて、医療保険などの各種保険に加入すべきでしょう。
家族や親族などに頼れない人
ご家族や親族などがいない場合や一人暮らしの場合は、お金以外の面でも頼れる人が少ないので、保障の充実した医療保険に加入したほうがいいでしょう。
医療保険が不要な人の特徴とは?
収入が多い人、十分な貯蓄がある人は、医療保険が不要だと言われています。
また、年齢や条件によっては医療保険が加入できない場合もあります。
自己負担が少ない低年収の方と高齢者
年収が少ない方や75歳以上の方は、医療費の自己負担が少なくて済みます。
そのため、あえて医療保険に加入する必要はないでしょう。
大企業にお勤めで保障が手厚い
大企業の会社員なら、社会保障が充実しており、有給休暇や傷病手当金などの制度を利用すれば、医療費の自己負担が少なくなります。
収入も高く、しっかり貯蓄しているなら医療保険はますます不要となるでしょう。
十分な貯蓄と親からの援助がある
医療費に充てられるだけの十分な貯蓄があって、親からも資金的な援助が受けられる恵まれた方は、あえて医療保険に加入する必要はありません。
しかし、保険料が安いので貯蓄を取り崩したくない場合や老後・将来が不安な場合は、終身の医療保険に加入するなど、十分な備えでさらに安心を得ることもできます。
医療保険が必要かどうか判断してみよう!
医療保険が必要な人、不要な人のことがわかったら、次は医療保険の加入が必要なのかどうか順番にみて判断してみましょう。
年代やご家族の状況に応じた貯蓄水準を超えているかどうか?
貯蓄が十分にあれば、医療保険に加入する必要はありません。
突然の入院や手術では、数十万円の治療費がかかります。
治療が長引くと、薬代もかかります。
十分な貯蓄がない場合は、健康なうちに医療保険に加入したほうがいいでしょう。
先進医療を受ける場合
先進医療は、公的医療保険の適用対象外です。
全額自己負担になりますので、覚悟してください。
しかし、医療保険で先進医療特約をつけていれば、全額給付金で受け取れたり、医療機関へ直接支払ってくれたりする場合があります。
必要なら加入すべきですが、他の生命保険などでも特約などで付加できないかどうかよく確認してください。
万が一に備えて安心を得ておきたい
生命保険や医療保険は、若いうちに加入すると毎月の保険料が安くなり、家計の負担を減らせます。
また、終身の医療保険もありますので、将来の老後や不健康が続くような状態が予想できないなら、自分の健康の安心を買うために、医療保険に加入するほうがいいでしょう。
病気やケガはいつ起こるかわかりません。確率の問題ではなく、万が一に備えることで安心が得られるなら、少ない保険料で加入できる医療保険もおすすめできます。
医療保険を選ぶ際に注意すること
医療保険単体で加入する場合は、月額の保険料もそれほど高額ではありません。
しかし、一生涯加入するとなると、数百万円の保険料を支払うことになりますので、定期的に見直しを行い、いらない保障や新しい病気に対する保障などが増えたら、保険も切り替える必要があります。
そこで、医療保険を選ぶ際の注意点についてお伝えしていきます。
保障期間についてしっかり検討すること
定期型や終身型の医療保険があります。
医療保険は、保障期間や保険料や保険金が全く異なります。
どのようなテーマで設計された医療保険なのかどうか、保障期間などもよく確認してください。
保障期間が長いと保険料は安くなりますが、設計が古くなってしまうと、将来役に立たなくなることがあります。
定期型は掛け捨てで保険料が安くなりますが、保障期間終了後は別の医療保険に加入するか、不要ならそこでやめることができます。
保険料の額や支払期間
保険料は、保障期間トータルでいくらぐらいになるのかをよく調査してください。
保障期間が長いと、結果として支払い保険料総額も高くなるからです。
家計の負担になるようなら、安い保険料で最低限の保障が得られる保険商品にしたほうがいいでしょう。
保険金の額と解約時に戻るお金の額
病気やケガをしたときに出る保険金と解約時に戻ってくるお金があるのか、いくら戻るのか、などについてもしっかり確認してください。
どのような病気やケガで保険金が出るのかは、各医療保険の設計によりますので、他社商品を取り寄せ、よく比較検討したうえで最もご自身に合った医療保険に加入してください。
医療保険のことがわからなければ、加入前や見直し時に保険のプロであるFPや保険コンサルタントに相談してください。
まとめ:医療保険に加入するのはケースバイケース!定期的な保険の見直しが重要!
ライフプランの変更で医療保険が追加で必要となるケースもあります。
生命保険や傷害保険などに加入した後も、定期的な保険の見直しによって、医療保険を含めた総合的な保険の見直しが必要でしょう。
医療保険は上手に活用し、保険料を無駄にすることのないようにしてください。
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