「愛犬が体調不良で手術しないといけない…そもそも払えるの?」など
いざという時の治療費や手術費用について悩んでいませんか?
犬を飼っていて健康が続けばなんの問題もありませんが、人間同様に病気やケガなどでどうしても治療費が必要なことがあるでしょう。
実は犬などの動物の治療費には公的保険(3割負担)や高額医療費制度が適用されないため、全額飼い主負担です。
もし治療費が高額で用意できない場合、「適切な治療を受けさせてあげられない」ということが起こってしまいます。
この記事ではケースごとの費用目安とペット治療費の用意方法を解説します。
動物病院における犬の治療費相場
日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」のデータによると、「犬を飼う上で困ることや、不安なこと」で2番目に多いのが「病気の治療費にお金がかかる」というアンケート結果が出ています。
実際、犬の各器官で最も治療費がかかるのは以下の通りです。
治療内容 | 治療費の中央値 |
不妊手術 | 17,675円 |
【眼】眼球摘出術 | 30,863円 |
【耳】全耳道切除・鼓室胞切開 | 47,062円 |
【呼吸器】肺葉切除 | 64,948円 |
【循環器】動脈管開存症 | 90,625円 |
【消化器】胃切除 | 50,000円 |
【肝臓・胆嚢・脾臓】胆嚢切除 | 54,315円 |
【泌尿器】腎臓切開 | 48,962円 |
【生殖器】前立腺膿瘍 | 45,133円 |
【体表】会陰ヘルニア | 43,510円 |
【整形外科】脊椎骨折 | 75,000円 |
【神経外科】椎間板ヘルニア | 88,929円 |
こちらの表は各治療費の中央値(平均)なので診察する病院や犬の年齢・大きさによっても異なります。
動物病院にかける1ヶ月の費用が以下のとおりとなり、
大型犬 | 中型犬 | 小型犬 | 超小型犬 |
9,281円 | 8,183円 | 8,217円 | 7,435円 |
中型犬と小型犬では小型犬の方が高くなってはいるものの、大型犬になるほど治療費が高くなりやすいと考えられるでしょう。
そして、年齢別では以下のとおりとなり、
犬0~6才 | 犬7~12才 | 犬13才以上 |
7,136円 | 7,800円 | 9,801円 |
高齢になるほど治療費が高くなる傾向にあります。
また、年齢や大きさ別でこれまでにかかった治療費の最大平均が以下のとおりです。
大型犬 | 中型犬 | 小型犬 | 超小型犬 |
74,893円 | 59,386円 | 66,533円 | 58,046円 |
犬0~6才 | 犬7~12才 | 犬13才以上 |
47.640円 | 67,256円 | 80,912円 |
表のとおり治療費の最大平均でも大型犬かつ高齢になるほど高くなる傾向にあります。
また、これまでにかかった治療費の最大で、
1万円未満、2~3万円未満、3~5万円未満、5~10万円未満、10~20万円未満、20~30万円未満、30~40万円未満との回答の中から「30~40万円未満」と回答した割合が、
大型犬 | 中型犬 | 小型犬 | 超小型犬 |
3.1% | 4.6% | 5.4% | 3.9% |
犬0~6才 | 犬7~12才 | 犬13才以上 |
2.9% | 5.8% | 6.1% |
となっています。
治療費が払えない場合の用意方法
いざという時の治療費。
貯金で用意できれば問題ありませんが、場合によっては30万円以上の高額となり払えない場合もあるでしょう。
万が一払えない場合は、
- 分割払いの相談
- ペットローンの利用
- カードローンの利用
を検討しましょう。
分割払いの相談
「治療費を分割払い?」と疑問に思いますが、どうしても払えない場合は正直に病院に相談することで分割払いが可能になる場合があります。
ただ基本的に一括払いが基本のため、そもそも取り合ってもらえない事もあるでしょう。
しかし、病院によっては親身になって対応してくれる場合もあるようです。
どうしてもという場合は正直に相談することをおすすめします。
ペットローンの利用
ペットローンは購入時に利用するイメージがあると思いますが、高額の治療費などに利用できるものもあります。
もちろん、審査はありますがいざという時には選択肢の1つとして検討しましょう。
特徴としてはカードローンよりも低金利で借り入れできるため、総額での負担がカードローンよりも軽くなります。
カードローンの利用
カードローンは「銀行」もしくは「消費者金融」の2つがあります。
ペットローンより利用しやすいのが特徴の一方で金利が高いため返済時の総額が高くなるデメリットもあります。
利用する際は、「分割払いの相談」「ペットローン」どちらも難しい場合の選択肢にするのが良いでしょう。
いざという時の治療費に備える
治療費を払えなくなる前に高額の治療費を見越して備えましょう。
理想的な用意方法は貯金ですが、難しい場合はペット保険でカバーすることもおすすめです。
治療費の把握と貯金
まずはどの程度の治療費がかかるのかを把握しておくことが必要です。
記事の冒頭でもケース別の治療費を記載しましたが、細かくは病院によっても異なるため、詳しくはかかりつけの動物病院のHPなどで確認しましょう。
また、他の動物病院と比較することで適正な相場かわかります。
いざという時の治療費に貯金で備えることで心にも余裕ができて安心して愛犬とも過ごせるでしょう。
ペット保険
あらかじめ高額の治療費に備えて貯金することが望ましいですが、どうしても用意が難しい場合はペット保険がおすすめです。
ペット保険にはさまざまな商品があり、メリットとしては月々の保険料を支払うことでいざという時の高額の対応ができます。
一方でデメリットもあり、犬の年齢が上がるにつれて保険料が高くなることや健康状態次第ではそもそも保険に加入できないということもあるでしょう。
まずは、どういった治療に対応している商品かを見極めて加入を検討してください。
治療費を払わないとどうなる?
もし治療費が払えなくなり、そのまま対応せずにいるとどうなるのか。
- 病院から督促がくる
- 訴訟になる
最もこの2つが考えられるでしょう。
病院から督促がくる
万が一治療を受けた後で治療費が支払えない場合、支払うまで病院から督促がきます。
払えないからといってそのままにしても支払いを免れる事はできません。
必ず、病院に連絡した上で「分割払いの相談」をするか、ペットローンやカードローンなど支払える方法を探りましょう。
訴訟になる
督促後も連絡をとらず治療費の支払いがない場合、訴訟になるリスクがあります。
どうしても支払いができない場合でも必ず連絡を取りましょう。
最悪の場合は警察に届けられ、裁判所から財産が差し押さえになることもあります。
差し押さえは給与にまで及ぶこともあり、会社に連絡がいくことで会社の人に知られるでしょう。
もちろん、訴訟になった病院での治療は受けられなくなります。
まとめ
犬の治療費の支払い平均は大型犬で月9,281円、超小型犬では月7,435円で、年齢でみると0〜6才が7,136円、13才以上で9,810と大きさや年齢によって高くなる傾向にあります。
また最大で30万円以上かかるケースもあり、どうしても支払いができない場合は、分割払いができないかを病院に相談する必要があります。
また、「ペットローン」や「カードローン」を利用して支払うことも検討しましょう。
犬の治療費は公的保険が適用されず、全額飼い主負担となるので高額になる場合があります。
貯金やペット保険でいざという時の高額な治療費に備えることが重要です。
まずはどの程度の金額が必要かを把握することで、適切な貯金や適切な保険が見つかるでしょう。
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