
最近、ブロックチェーンという言葉を耳にすることも多いですが、
「ブロックチェーンって結局はどういうものなの?」
「革新的な技術ということは分かっているけど、もう少し詳しく知りたい。」
こういった考えをお持ちの方も多いかと思いますので、 今回はこのブロックチェーンについて解説を行います。
仕組みやメリットを分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
・ブロックチェーンとは
ブロックチェーンは、暗号技術により取引履歴を1本の鎖のようにつなげ、
正確な取引履歴の維持を目指す技術とされています。
データ破壊や改ざんが難しく、システムダウン等が起こりづらいという特徴を持ちます。
出典:経済産業省 「平成27年度 我が国経済社会の 情報化・サービス化に係る基盤整備
(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに 関する国内外動向調査)」 報告書概要資料
https://www.meti.go.jp/main/infographic/pdf/block_c.pdf
上で示した図だと理解がしやすいかと思われます。
従来のシステムでは第三者機関が取引履歴を管理することで、信頼性を保っていました。
そのため、第三者機関の下でシステムトラブル等が発生してしまった際に、 全体が立ち行かなくなるという脆弱性が存在していました。
しかしブロックチェーン技術を用いることによって、 第三者機関が介在する必要がなくなります。
取引履歴を皆で共有し、信頼性を保つことが可能だからです。
これにより、改ざん等への強固な耐性の下でシステムを持続させることができます。
ブロックチェーンの特徴
ブロックチェーンでは不特定多数の参加者たちが取引を行うことになりますが、 多くの参加者が全員分の取引履歴のコピーを持っています。
つまり一部のコンピュータにトラブルがあったとしても、 残りの多数の参加者が記録を保持し続けるため、 システムが全体的にダウン事態にはつながらないことになります。
さらにこの取引履歴のコピーは削除できない性質を持つため、 取引記録は消えず、証拠として残り続けます。

このような強みを持つブロックチェーンですが、具体的には「ハッシュ」や「電子署名」といった暗号技術を利用することによって、データ改ざんを検出することを可能にしています。
出典:経済産業省 「平成27年度 我が国経済社会の 情報化・サービス化に係る基盤整備
(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに 関する国内外動向調査)」 報告書概要資料
https://www.meti.go.jp/main/infographic/pdf/block_c.pdf
ハッシュ
ハッシュとは、データの特定を強みにもつ暗号化技術です。
「ハッシュ関数」と呼ばれる計算式を活用することによって、 入力データに固有なハッシュ値を与えます。
ハッシュ値は入力データを特定することが可能なIDのような機能を持つため、 データ改ざんやトラブル等があれば素早く見つけ出すことが可能です。
ハッシュ関数によって行き来するハッシュ値は入力データ毎に固有な値を持っており、 どのようなデータを入力しても必ず一定の桁数の値になる性質を持っています。
また、ハッシュ値から元のデータを特定できないという機密性も兼ね備えています。
電子署名
電子署名とは、デジタル文書の作成者が誰かを証明する電子的署名であり、 電子署名を行うことによって、「誰がデータを作成したのか」「元のデータが改ざんされていないか」といった情報を確認することができます。
実際に電子署名を利用する際には「秘密鍵」と「公開鍵」という2つのキーが作成されます。
署名をする人は秘密鍵を用いてデータに署名を行い、電子署名として受信者に送信します。
受信する人は先に受け取っていた公開鍵を用いることによって、 受信データが本当に署名者によって作られたものであるかを確認することができます。
ブロックチェーン技術は、このハッシュや電子署名を用いることによって、 データ改ざんを防ぐことを可能にしていると言えます。
ブロックチェーンのメリット

①システムダウンに耐性があり、継続性が保たれる
ブロックチェーン技術は、第三者機関の存在がなくとも信頼性を保つことを可能とします。
なぜなら不特定多数の参加者たち皆で、取引履歴を共有・記録することができるからです。
従来のシステムでの脆弱性の一つでもあった、 第三者管理機関でのシステムトラブル発生というリスク要因を排除することが可能です。
これにより、システムダウンへの強固な耐性の下、システムを持続させることができます。
②改ざんが非常に難しく、高いセキュリティ機能を持つ
ブロックチェーンでは不特定多数の参加者たちが全員分の取引履歴のコピーを持っています。
つまりどこかで改ざん行為が行われたとしても、異常をすぐに検知することが可能なのです。
さらにこの取引履歴のコピーは削除されることがないため、 取引記録は消えず、証拠として残り続けます。
これにより、高い信頼性を保つことが可能となります。
ブロックチェーンの可能性
出典:経済産業省 「平成27年度 我が国経済社会の 情報化・サービス化に係る基盤整備
(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに 関する国内外動向調査)」 報告書概要資料
https://www.meti.go.jp/main/infographic/pdf/block_c.pdf
上で示した図のように、ブロックチェーンには社会を変革していく力があると言えます。
様々な分野において、情報の安全性を担保し、効率的な組織運営を可能にしてくれます。
ブロックチェーンというと、ビットコインというイメージが強いかも知れませんが、
他分野でもこれだけの活躍可能性が見込めるようです。
ブロックチェーン技術が社会経済に与えるインパクト

例① :価値の流通・ポイント化
各種ポイントが発行体以外との取引にも活用できるようになることが考えられます。
その結果、様々なポイント交換が可能である状態となり、 まさに通貨と同等の用途での利用ができるようになる可能性が高いです。
これは私たち個人のポイント利用者の利便性も向上すると同時に、 ポイント発行額以上の経済波及効果が生じます。
お金(ポイント)が循環し、経済活性化にも一役買う存在になるかも知れません。
例② :耐久消費財等に関するIoT連携の促進
電化製品等に関して、IoTとブロックチェーン技術を組み合わせることで、 製品寿命の把握や、機能性の点検などを効率的に行うことができます。
私たち個人の利用者にとっては、機械の故障等への対処が、 非常にスムーズに行えるという利便性があります。
加えてメーカーや小売店側からしても、商品のライフサイクルを高精度で予測することができるため、
新機種の販売提案や、修理の受注獲得などを効率的に行うことができます。
私たち個人にとっても事業体にとっても、どちらにも良い影響をもたらす見込みがあります。
まとめ

今回はブロックチェーンの仕組みやメリットついて解説を行いました。
ブロックチェーン技術は高いセキュリティ性により、 安全性・継続性が担保された強固なシステムと言うことができるでしょう。
ビットコインの存在とともに注目されるようになったブロックチェーンですが、 現在もその実用性の高さから、自動運転や流通といった幅広い分野での活用も期待され、 実用に向けた取り組みが行われています。
今後はさまざまな取引や契約がブロックチェーンを用いた上で行われるようになり、 より安全性の高い仕組みづくりが実現していくと考えられます。
そうなると社会全体として、データ改ざんやシステムトラブルへの備えに対し、 人的資源やコストを大幅に割くことも無くなります。
ブロックチェーンは、より効率的な社会の実現を可能にするツールと言えるでしょう。
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