仮想通貨ソラナ(Solana)についてご存じでしょうか。ソラナは2020年に新規公開(ローンチ)された仮想通貨です。手数料の安さから「イーサリアムキラー」の一つとして注目されています。
今回は仮想通貨ソラナの概要や特徴、ソラナを利用したサービス、ソラナの価格動向、今後の見通しなどについてまとめます。
仮想通貨ソラナとは
出典:写真AC
名称 | Solana(ソラナ) |
シンボル | SOL |
現在価格 | 30.65ドル |
時価総額 | 10,979,519,259ドル |
時価総額ランキング | 9位 |
扱いのある暗号資産取引所(国内) | FTX.JapanSBI VC TradeGMOコイン |
※現在価格や時価総額、ランキングは2022年10月28日段階のもの
ソラナはスイスのジュネーブにあるSolana Foundationが運営する仮想通貨およびブロックチェーンです。ローンチしたのは2020年4月と比較的新しい仮想通貨です。
処理速度が速く、低コストである点が注目され、歴史の浅い仮想通貨にもかかわらず、時価総額ランキングで9位につけています。将来的には個人ユーザーだけではなく、ビジネスで利用する企業などの法人顧客へのサービス提供も視野に入れています。
ソラナの特徴
ソラナにはどのような特徴があるのでしょうか。ソラナの特徴を4点まとめます。
処理速度が速く手数料が安い
1つ目の特徴は処理速度が速いことです。ソラナが処理速度を早くできるのは「PoH」という仕組みを採用しているからです。PoHとは「Proof-of-History」の略で、従来の仕組みであるPoWとPoSを組み合わせたもので、情報の高速化を実現した仕組みといえます。
ビットコインなどで採用されているPoWは、電力消費が大きく処理速度や手数料の面でもコストが高くなるなどの問題点を抱えていました。
これに対し、PoHを採用したソラナは処理速度を意味するトランザクション処理数が50,000/秒に達します。ビットコインが7/秒、イーサリアムが15/秒であることを考えると処理速度がいかに早いかがわかります。
高速で情報を処理できるため、コストも削減できます。ソラナのトランザクション手数料(取引コスト)は、0.00005〜0.00025ドルと非常に低コストです。こちらも、ビットコインやイーサリアムよりもかなり低くなっています。これらのことより、ソラナは処理速度が速く低コストな仮想通貨だといえるのです。
スマートコントラクト機能がある
スマートコントラクト機能とは、取引が自動的に成立する機能のことで、しばしば自動販売機にたとえられます。ある条件が満たされると、事前に定められた契約が自動的に実行される仕組みです。自動販売機でいえば、代金を投入し、ボタンを押したら取引が成立し、品物が出てきます。このような自動的な取引をスマートコントラクトといいます。
第三者を挟まず自動的に取引が成立するため信頼性が高く、取引記録がブロックチェーン上に公表されるため透明性が高いとされています。加えて、第三者を挟まないためコストダウンも可能となります。
スマートコントラクト機能を持っている仮想通貨の代表がイーサリアムですが、処理速度や手数料の高騰が問題視されていました。ソラナは処理速度も手数料の安さもイーサリアム以上であり、イーサリアムに代わる仮想通貨(イーサリアムキラー)として注目されています。
他のブロックチェーンと連携を目指している
ビットコインをはじめとするこれまでの仮想通貨には互換性はありませんでした。ソラナは他の通貨との互換性を模索しています。こうした相互の互換性のことを「インターオペラビリティ」といいます。ソラナは2020年段階でイーサリアムとの互換性を作っているため、今後の実用化に向けて期待が膨らんでいるのです。
ステーキングができる
ステーキングとは、特定の仮想通貨を保有してブロックチェーンに参加することで、報酬を得られる仕組みです。保有するだけで報酬がもらえる仕組みのため人気があります。ただし、ソラナを扱っている暗号資産取引所であってもステーキングサービスがなければ利用できませんので注意しましょう。
ソラナを利用したサービス
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ソラナを利用したサービスにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、STEPNとStar Atlasを紹介します。
STEPN(ステップン)
STEPNはソラナのブロックチェーン上で運用されるNFTです。歩きながら稼げるNFTであるため「Move to Earn」とよばれています。アプリ内で販売されているNFTスニーカーを購入することで仮想通貨が稼げる仕組みです。
歩くことで獲得した仮想通貨GSTはスニーカーの維持・管理・レベルアップなどに使用できます。獲得したGSTはバイナンスなどの海外取引所で日本円に交換できます。近年はGMTの暴落やスニーカーの価格低迷などが起きているため、十分調べてから参加したほうがよいでしょう。
Star Atlas(スターアトラス)
Star Atlasは宇宙を舞台にしたSF戦略ゲームです。ソラナのブロックチェーン上に作られたゲームでATLASやPOLISといった仮想通貨をゲーム内で利用します。Star Atlasで遊ぶためには仮想通貨ソラナが必要ですので、事前に購入しておきましょう。
ソラナの価格動向
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ローンチ後、ソラナはどのように価格変動したのでしょうか。2つの時期に分けて価格動向をまとめます。
ローンチ~2021年5月
2020年にローンチされた当初、SOLの価格は1ドル前後でした。2021年に入ってから徐々に価格が上昇し、2021年5月に最初のピークを迎えます。この時は50ドル台後半まで上昇しました。
2021年6月~2022年10月
価格が大きく上昇したのは2021年9月以降です。SOLのステーキングサービス開始のニュースなどで価格が急上昇しました。その後もソラナの価格は上昇し続け、2021年11月には最高値の260ドルをつけます。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した世界経済の混乱や仮想通貨市場全体の低迷、ステーブルコイン「Tera」の大暴落など、マイナスインパクトが強い出来事が立て続けに起きたこともあって、ソラナの価格は30ドル前後まで下落しています。
ソラナの今後の見通し
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ソラナの今後の見通しはどうなっているのでしょうか。まず、イーサリアムキラーとしてどの程度、イーサリアムの市場に食い込めるかに注目するべきです。ソラナと同じようにイーサリアムキラーとよばれる仮想通貨は複数ありますが、いずれも、イーサリアムの牙城を崩すに至っていません。ソラナがどのくらい食い込めるかが焦点となるでしょう。
次に仮想通貨市場全体の動向に注目します。アメリカの金利上昇やウクライナでの戦争による影響などでリスクオフムードが高まると、仮想通貨全体の価格が大きく下落しました。今後、経済活動が活発化することで市場全体が活気づく可能性があり、そうなるとソラナの価格も上昇する可能性が高まります。
そして、日本に限れば、国内暗号資産取引所への上場がカギとなります。現在、ソラナを扱っているのは一部の暗号資産取引所に限られており、活発に取引するには不十分な状況です。今後、取り扱う暗号資産取引所が増え、ステーキングサービスを提供するようになると、価格上昇の可能性が見えてくるでしょう。
まとめ
今回は仮想通貨ソラナについてまとめました。ソラナは処理速度に優れ、コストが安いためイーサリアムの代わりになることを期待されています。2022年10月段階では仮想通貨市場全体の低迷や金利引き上げの影響で、かなり価格が下落しています。
しかし、高いスペックを持つ暗号資産であり、ソラナを取り巻く環境が改善すれば、まだまだ、反転する余地が残っているのではないでしょうか。
とはいえ、価格がどうなるかはその時次第という部分もありますので、慎重に判断したうえで投資するかどうか決めるべきでしょう。
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