仮想通貨の取引が盛んな近年、空振り(ショート)という取引方法が注目されています。空売りは、売りから始め、価格が安くなったタイミングで買いを行います。そのため、一般的な投資方法と異なります。しかし、仮想通貨の空売りについて具体的に知っている方は少ないと思います。
そこで本記事では、仮想通貨の空売りについて解説していきます。ぜひ参考にしてください。
仮想通貨の空売り(ショート)とは
仮想通貨の価格が上がった時に売り、下がった時に買う投資方法です。この方法で利益を出す仕組みとしては、価格が下がる可能性のあるものをあらかじめ売っておき、さらに価格が下がった時に買うことで、その差額分が利益になります。そのため、多くの方が行う価格が安い時に買い、高い時に売る投資方法と異なった方法となっています。
また、空売りを行うためには証拠金を入金する必要があるため、注意しておきましょう。
仮想通貨の空売り(ショート)の利点
空売りが多くの方が行う投資方法とは異なっているものだということは理解できたと思います。しかし、具体的に空売りの利点を知っている方は少ないと思います。そこでここでは、空売りの利点について解説していきます。利点は、以下の通りです。
- 相場が下落していても利益が得られる
- レバレッジの活用が可能
- 短期間での利益が見込める
- リスクの分散が可能
- 節税対策が見込める
- いつでも取引可能
相場が下落していても利益が得られる
1つ目の利点は、相場が下落していても利益が得られることです。基本的に相場が下落していると損益が増えます。しかし、空売りの場合は相場が下落していても利益を得ることが可能になります。なぜなら、空売りは仮想通貨が下落する前にあらかじめ売っておき、さらに下落した時に買った際の差額分を利益とするからです。
そのため、基本的な取引とは利益が得られるタイミングが異なります。
レバレッジの活用が可能
2つ目の利点は、レバレッジの活用が可能なことです。レバレッジを利用すると、取引所が決めている倍率分を自己資金と合わせて取引が行えるようになります。このレバレッジを利用することで投資資金を増やせるようになり、より多くの仮想通貨を購入できるようになります。仮想通貨でのレバレッジの倍率は、現在以下のようになっています。
個人向け取引 | 暗号資産の種類に問わず2倍 |
法人向け取引 | 暗号資産のペアごとに週次で算出 |
個人向け取引で空売りを行う場合、2倍のレバレッジがかけられるため、取引での利益も2倍になります。一方で、損益が発生する場合も2倍になってしまうため、注意して行うようにしてください。
短期間での利益が見込める
3つ目の利点は、短期間での利益が見込めることです。仮想通貨は1カ月の間で価格が急激に下がることが多々あります。それを予測し、あらかじめ売っておき、さらに急激に安くなったタイミングで買うことで利益を出すことが可能です。そのため、短期間で大きな利益を出せる可能性もあります。
一方で、売りのタイミングを見誤ると大きな損益を出すこともあるため、十分注意して行いましょう。
リスクの分散が可能
4つ目の利点は、リスクの分散が可能であることです。仮想通貨にかかわらず投資では必ずリスクがあります。投資を行う多くの方は、リスクをいかに分散させるかを考えながら取引を行っています。そこで、空売りを行うことで、仮想通貨の相場が安くなってしまった時でも利益を出せます。
そのため、一般的な価格の安い時に買い、高い時に売る投資方法と併用することでリスクの分散が可能です。一方で、急激な高騰または暴落が発生した際には、空売りを行っていたとしても結果的に損益が出てしまいます。
節税対策が見込める
5つ目の利点は、節税対策が見込めることです。空売りは、証拠金を入金することでレバレッジ取引が行えるようになります。この取引では、仮想通貨自体を保有したまま取引が行えるため、売却益が発生しません。そのため、売却益に対する課税がなくなり、節税対策を行えます。
一方で、売却益が出てしまう取引は、課税対象であるため、注意してください。
いつでも取引可能
6つ目の利点は、いつでも取引可能なことです。仮想通貨の取引所は、年中無休で稼働しているため、いつでも取引が行えます。空売りは、価格の変動が大きく影響する投資方法であるため、いつでも取引が行える仮想通貨との相性が良いです。
仮想通貨の空売り(ショート)のやり方
空売りのやり方は以下の手順で行います。
- 取引所のアカウントを作る
- 取引所に入金
- 取引を行う
- 買い注文を行う
それぞれ解説していきます。
1.取引所のアカウントを作る
まず、取引所のアカウントを作ります。アカウントを作る際には、本人確認書類や口座開設などの個人情報が必要になります。基本的には以下のものが必要になるため、あらかじめ用意しておくことがおすすめです。
- 本人確認書類
- 口座開設
- メールアドレス等の個人情報
2.取引所に入金
取引所が利用できるようになったら仮想通貨を買うための費用を入金します。取引所によっては、諸費用等がかかる場合もあるため、あらかじめ調べておくことがおすすめです。
3.取引きを行う
入金が完了したら取引きを行います。仮想通貨を購入し、価格が下がりそうなタイミングで所持している仮想通貨を売ります。
4.買い注文を行う
売った仮想通貨の価格がさらに下がったタイミングで買戻しを行います。売った仮想通貨の価格が大きく下がれば下がるほど利益が出ます。一方で、売った仮想通貨の価格が上がると損益が出てしまうため、買戻しのタイミングは慎重に見定めましょう。
仮想通貨の空売り(ショート)のコツ
コツを知っておくと損益を出すことが減り、利益を出せるようになります。そこでここでは、空売りのコツを解説します。コツは以下の2つです。
- 価格が下落する傾向が続く状態の時に売りポジションをたてる
- 仮想通貨に対する悪いニュースが報道されたタイミングで売りポジションをたてる
価格が下落する傾向が続く状態の時に売りポジションをたてる
1つ目のコツは、仮想通貨の価格が下落する傾向が続く状態の時に売りポジションをたてることです。自身が所持する仮想通貨の価格が下がり続けているようなら、売る準備をし、この先も価格が下がると判断したタイミングで売ります。
価格が下落する傾向が続く状態を下落相場と呼びます。
仮想通貨に対する悪いニュースが報道されたタイミングで売りポジションをたてる
2つ目のコツは、仮想通貨に対する悪いニュースが報道されたタイミングで売りポジションをたてることです。仮想通貨は、悪いニュースが報道されると価格が下がる傾向があります。そのため、悪いニュースが報道されたタイミングで売りポジションをたてておくことで、空売りの利益を高めやすくなります。
このようなことから、仮想通貨の空売りを行う場合は、メディアの確認もこまめに行うことが重要です。
仮想通貨の空売り(ショート)の注意点
空売りには、注意点もあるため、理解したうえで行うようにしてください。空売りの注意点は以下の通りです。
- 大きな損益を出す場合がある
- 証拠金の追加入金を求められる場合がある
それぞれ解説していきます。
大きな損益を出す場合がある
空売りは一見メリットが多い投資方法に思えますが、大きな損益を出す場合があります。売った仮想通貨の価格が上がってしまったら、損益につながるため、損益が大きくなる前に買い戻す必要があります。
証拠金の追加入金を求められる場合がある
取引所が決めている証拠金を下回ると、証拠金の追加入金を求められる場合があります。証拠金の追加入金は、期限以内に行わなければ、取引を維持できなくなり、損益が出てしまいます。そのため、証拠金の追加入金を求められた場合は、期限内に必ず入金してください。
まとめ
本記事では、仮想通貨の空売り(ショート)について解説しました。空売りは、売りから始まるため一般的な投資方法とは異なるメリットがあります。仮想通貨の取引を行う際には、ぜひ試してみてください。
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