ビットコインが注目されてから、何かと話題に上がることが多くなった仮想通貨。その数は10,000とも15,000とも言われています。
今回はその中でも「チェーンリンク/LINK」という仮想通貨を取り上げ、チェーンリンクの特徴や価格の動向、将来性などについて解説します。
仮想通貨とは?
仮想通貨(暗号資産)とは、インターネット上でやり取りできる財産です。その代表が2009年から運用が始まったビットコインでした。その後、仮想通貨の数は爆発的に増えました。
仮想通貨の世界では、ビットコインとそれ以外の仮想通貨を区別し、ビットコイン以外の通貨をまとめてアルトコインといいます。今回紹介するチェーンリンク/LINKもアルトコインの一つです。
2019年5月31日、仮想通貨の取引に関するルールを定めた諸法令が改訂されました。それにより、法律上、仮想通貨のことを暗号資産と呼ぶことが決まります。それにより、日本で仮想通貨を扱う事業者は「暗号資産交換業者」とされ、金融庁への登録が必要となりました。
仮想通貨はブロックチェーンという技術によって生み出されました。ブロックチェーンとは「取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術」であり、データの破壊や改ざんがとても困難です。
出典:全国銀行協会
チェーンリンク/LINKはどんな仮想通貨?
チェーンリンクは2017年にSergey Nazarov(セルゲイ・ナザロフ)氏らが米コーネル大学のAri Juels教授とともに開発した仮想通貨です。ここでは、チェーンリンクの基本情報や仕組み、SWIFTとの連係についてまとめます。
チェーンリンクの基本情報
名称 | チェーンリンク(Chainlink) |
シンボル | LINK |
現在の価格(2022年8月5日) | 1,072円(7.72ドル) |
時価総額(2022年8月5日) | 483,944,181,705円 |
時価総額ランキング | 24位 |
公式サイト | https://chain.link/ |
チェーンリンク/LINKは2022年8月段階で1,000円前後をマークしています。時価総額はおよそ4,840億円で仮想通貨時価総額ランキング24位です。チェーンリンクを取り扱っている主な暗号資産取引所は以下のとおりです。
- SBI VCトレード
- bitFlyer
- GMOコイン
- BITPOINT
チェーンリンクの価値が認められれば、国内で取り扱う暗号資産取引所が増えるかもしれません。
チェーンリンクの機能
チェーンリンクは別々に存在しているブロックチェーンと外部の様々なデータとを結び付ける機能を持っています。ブロックチェーンは改ざんしにくいというメリットがある半面、外部のデータを取り込みにくいという弱点も有しています。
いろいろな外部データを無警戒に結びつけるとブロックチェーンの安全性が保てなくなります。そこで求められたのがブロックチェーンと外部データを安全に結び付ける機能を持ったものでした。
チェーンリンクはブロックチェーンと外部データの間を取り持ち、信頼性を保ちながらブロックチェーンと外部データを結び付けられます。
これにより、ブロックチェーン技術で作られた仮想通貨と従来の中央集権的な仕組みで作られた銀行決済、保険データなどの仕組みを結び付けられるのです。この仕組みが機能するようになると、仮想通貨がもっと便利になるかもしれません。
また、チェーンリンクには異なるブロックチェーンどうしを結び付ける機能があります。基本的にブロックチェーンどうしは独立していて互換性はありません。ビットコインとイーサリアムのブロックチェーンを連結させることはできないのです。
しかし、チェーンリンクはその問題を解決できます。現在はそれぞれのブロックチェーンが別々に機能していますが、将来的には複数のブロックチェーンを結び付ける存在が必要となるでしょう。その時、チェーンリンクのようなブロックチェーンが必要とされるのです。
SWIFT(スイフト)と連携し、信頼性が高い
SWIFTとは「銀行間の国際金融取引に係る事務処理の機械化、合理化および自動処理化を推進するため、参加銀行間の国際金融取引に関するメッセージをコンピュータと通信回線を利用して伝送するネットワークシステム」です。
ロシアによるウクライナ侵攻のニュースの中で取り上げられて話題となりました。スイフトは銀行間で送金するための国際的なネットワークであり、ここからロシアの銀行が締め出されると大変だといった趣旨で話題となっていました。
2022年段階で200を超える国がスイフトを利用しているとされ、国際的にも信用度が高いシステムです。チェーンリンクはスイフトと連携し、実証実験を成功させています。
チェーンリンク/LINKの値動き
チェーンリンクは2019年5月まで、あまり注目されてきませんでした。最初に価格が大きく動いたのは2019年6月です。その後、徐々に価格が上昇し始め、2020年6月から8月にかけて急上昇しました。
急騰の背景はDeFi (分散型金融)です。これまで、通貨は各国の中央銀行が発行権を握ってコントロールする中央集権型でした。DeFiは管理者がいなくても通貨として成り立つ可能性を示すもので、これまでの金融の常識を大きく覆すものでした。
DeFiの可能性は、ブロックチェーンどうしをつなぐチェーンリンクの可能性評価につながり、価格は上昇カーブを描きます。
また、2020年6月に中国国営のブロックチェーンサービスネットワーク「BSN」がチェーンリンクと深いかかわりを持つスマートコントラクト社を開発パートナーとしたというニュースが流れたこともチェーンリンクの価格を押し上げた要因の一つでしょう。
2021年になるとチェーンリンクの価格は暴騰します。そして、2021年5月には最高値である約52ドルを記録します。暴騰の背景にはビットコインをはじめとする仮想通貨全体が高騰した「仮想通貨バブル」があります。
上のチャートはビットコインの長期チャートです。チェーンリンクが暴騰した2021年前半にビットコインも急上昇しています。しかし、もう一度ビットコインが上昇した2021年末にはチェーンリンクは暴騰していません。
このことから、ブームに乗ってチェーンリンクも暴騰したものの、ビットコインよりも早くブームが収束したことがわかります。
チェーンリンクの将来性
チェーンリンクの将来性はどうなっていくのでしょうか。チェーンリンクの価格に影響を与えそうな4つのポイントを取り上げます。
仮想通貨市場の回復
1つ目のポイントは仮想通貨市場の回復です。2021年末からビットコインをはじめとする仮想通貨の価格が大きく下落しました。たとえば、ビットコインは最高値の約69,000ドルから大きく下落。2022年8月の段階では約23,000ドルにまで下落しました。
チェーンリンクも最高値の約52ドルから約7.6ドルとおよそ5分の1にまで下落してしまいました。しかし、仮想通貨は下落も上昇も早いのが特徴です。ビットコインの価格が持ち直すなど仮想通貨市場が持ち直せば、チェーンリンク価格も上昇するかもしれません。
大手取引所への上場
2つ目のポイントは大手取引所への上場です。仮想通貨取引所で新たに特定の仮想通貨が取引されるようになることです。現在、チェーンリンクはSBI VCトレードやbitFlyer、GMOコイン、BITPOINTなどで取り扱っています。
今後、国内外の仮想通貨取引所でチェーンリンクの取引が始まれば、それをきっかけに価格が上昇するかもしれません。
国際組織や各国政府との連携
3つ目のポイントは国際組織や各国政府との連携が発表されることです。チェーンリンクはスイフトとの連係や中国政府のプロジェクトとの連係などのニュースで価格の上昇がみられました。同じように、どこかの国際組織や各国政府との連携が発表されれば、価格が上昇するかもしれません。価格が上昇するかもしれません。
DeFi市場の拡大
4つ目のポイントはDeFi市場の拡大です。中央集権的なシステムに代わるものとして分散型金融であるDeFiが注目されています。最近はNFTゲームとDeFiが結びついたGameFiに関心が集まっています。 GameFiやDeFiと既存の金融機関を結ぶにはチェーンリンクのようなブロックチェーンが必要となるため、それが理由で価格が上昇するかもしれません。
まとめ
今回は、チェーンリンク/LINKについてまとめました。チェーンリンクの技術はブロックチェーンと金融機関などの外部のデータをリンクしたり、ブロックチェーンどうしを結び付けたりするのに役立ちます。
やや専門的な内容も含みましたが、チェーンリンクそのものは将来性のある仮想通貨です。今後は仮想通貨全体の相場の流れや取引所への上場、国際機関などとの連係、DeFi市場の拡大などにより価格が上昇する可能性がありますので、今後も注視したほうがよい仮想通貨といえます。
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