DeFiとは?技術の正体と将来性について解説

ネットでよく目にするようになった「DeFi」ですが、新しい金融の仕組みとして仮想通貨業界から注目されています。

誕生して日も浅いため、なかなか理解するのは難しいという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、銀行などの既存の金融システムとDeFiの違い、儲かる仕組み、注意点などについてわかりやすく解説します。

目次

DeFiとは?読み方から仕組みまでわかりやすく解説

DeFiとは「Decentralized Finance」の略で、「ディーファイ」と読みます。

日本語ではDeFiのことを「分散型金融」といい、「ブロックチェーン上で構築できる金融サービスまたはそのシステム」です。

まず、銀行などの既存の金融システムとDeFiの違いを見てみましょう。

銀行などの既存の金融システムとDeFi(分散型金融)の違い

既存の金融システムとDeFiを比較してみると、主に5つの違いがあります。

1. 取引の透明性

2. システムの運用管理方法

3. 利用者の資産管理方法

4. システムの参加制限の有無

5. 耐改ざん性

ひとつずつ解説します。

1. 取引の透明性

既存の金融システムでは、管理者や管理者が許可した人のみ取引の閲覧・検証が可能となっていますが、DeFiはブロックチェーン上に記録される取引は誰でも見ることが可能です。

つまり、銀行にお金を預けると、個人の入出金や振り込み・ローンの記録などすべての取引は銀行が確認や管理しています。

一方、DeFiではインターネット上にコードが公開されているため、誰でも取引を確認できるので、透明性が高く不正が起きるリスクがないのです。

2. システムの運用管理方法

システムの運用管理について、「管理者が存在するか・しないか」の違いがあります。

既存の金融システムは「中央集権型」で中央集権者が運用管理していますが、DeFiは「非中央集権型」で運用管理の主体がいません。

DeFiはプログラムで管理されており、自動化された仕組みによって取引が成立します。

3. 利用者の資産管理方法

ほとんどの人が銀行にお金を預けているように、既存の金融システムでは金融機関等の中央集権者に資産を預けますが、DeFiはブロックチェーン上で利用者自ら資産を管理します。

4. システムの参加制限の有無

既存の金融システムでは、金融機関等の中央集権者が各人の参加可否を決めます。

例えば、通帳作成やローンの申し込み等は審査が必要ですよね。

一方DeFiでは、インターネットに繋がって暗号資産を有していれば、世界中誰でも利用が可能です。

5. 耐改ざん性

銀行などの金融機関では、お客様の情報を守るために、ハッカー等による取引データの書き換え防止策を講じています。

DeFiでは、ブロックチェーンの性質上、第三者が取引を無効化・改ざんできない仕組みになっています。

https://www.iima.or.jp/docs/report/2021/2021.01kokusaikinyuu.pdf

引用 公益財団法人 国際通貨研究所 経済部

スマートコントラクト・イーサリアムについて解説

DeFiはイーサリアムのブロックチェーンを基盤とし、ブロックチェーン技術をより進化させたもので、金融資産の管理を自律的に行っています。

DeFiを始めるには、コインチェックなど国内の取引所で、イーサリアムやアイオーエスティーを購入することが必要です。

DeFiをもう少しくわしく理解するために、DeFiに関係する2つのシステム(スマートコントラクト・イーサリアム)について見てみましょう。

スマートコントラクトとは設定した要件を実行する機能

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上にプログラムを書くことで、あらかじめ設定した要件を自動的に実行する機能です。

たとえば、「自分の20ETH」と「Aさんの1BTC」を交換するとします。

(ETHとはイーサリアム、BTCとはビットコインの単位です)

その時、先に送金した方は相手が本当に送金するかわからず、裏切られるリスクがありますよね。

ここで、「自分が20ETH送金すること」と「Aさんが1BTC送金すること」という取引の成立条件をスマートコントラクトに書き込みます。

すると、ふたつの条件が満たされた場合のみに取引が実行されるので、安心して取引でき、業務効率も格段に上がります。

イーサリアムはスマートコントラクトを扱っている

イーサリアムとは、当時19歳のヴィタリック・ブテリン氏によって開発されたプラットフォームの名称です。

2015年7月に登場したイーサリアムですが、2022年8月現在、ビットコインの次に時価総額が大きい仮想通貨です。

イーサリアムで前の項目で説明したスマートコントラクトを扱えるのが特徴です。

DeFiで儲かる仕組みは大きく分けて4つ

DeFiの仕組みは理解できても、どうやって利益を出すのか悩む方も多いでしょう。

利益を出す仕組みは、大きく分けて4つあります。

1. 流動性マイニング

2. レンディング

3. ステーキング

4. 関連銘柄に投資する

一つずつ解説していきます。

1. 流動性マイニング

流動性マイニングとは、「DEX」という分散型取引所に仮想通貨を貸し出し、その報酬として独自トークンを受け取れる仕組みとなっています。

流動性マイニングではそのまま放置しているだけで利益を得られます。

しかし、通貨を保有しているときに通貨自体が暴落するリスクも考えられるため、仮想通貨の価格変動リスクに注意が必要です。

2. レンディング

レンディングとは「お金を貸す」こと、つまり取引所に仮想通貨を預けて利息を得るサービスのことです。

銀行にお金を預けると利息は0.01%ほどですが、仮想通貨のレンディングは利回りが高いのが魅力といえます。

DeFiでは仮想通貨のレンディングにより金利収入を得られます。

3. ステーキング

ステーキングとは売買益を狙うものではなく、長期的に「持っている」ことで報酬を得られる仕組みです。

レンディングと同じように、通貨を保有しているだけで利益を得られます。

しかし、ステーキングに対応している通貨が限られており、付与条件を確認する必要があります。

4. 関連銘柄に投資する

関連銘柄への投資には、イールドファーミングが注目されています。

イールドファーミングとは、レンディングやDEX(分散型取引所)といったDeFiサービスに暗号資産を預けて、流動性を提供することで利益を得る仕組みのことを指します。

DeFiの発展によって需要が拡大する可能性があるため、値上がり益を狙うなら、定期的にチェックしておくと良いですね。

DeFiを始める前の注意点

DeFiは優れた技術で将来性への高い期待がありますが、いくつか注意点もあります。

ここでは、3つの注意点について解説しますので、ひとつずつ見てみましょう。

・バブル崩壊のリスク

・トラブルが起きてもユーザーの自己責任

・ガス代が高騰する可能性がある

バブル崩壊のリスク

新たな金融の形として注目を集めているDeFiですが、誕生してからまだ日が浅く、信用できるほどの実績もありません。

DeFiは、仮想通貨を基盤とした新しいシステムのため期待値が大きいのですが、信用できるほどの実績が少ないにもかかわらず、過熱した結果、バブル崩壊のリスクがあるともいわれています。

トラブルが起きてもユーザーの自己責任

金融機関での取引の場合、何かしらのトラブルがあっても補償制度がしっかりしています。

しかし、DeFiはシステム障害などが原因でサービスの利用中にトラブルが起きた場合、補償制度がないのですべて自己責任となります。

損失が発生しても利用者自身で責任を負うことになるので注意が必要です。

ガス代が高騰する可能性がある

ガス代とは、イーサリアム上での取引にかかる手数料のことです。

DeFiをイーサリアム上で取引する際にガス代がかかるのですが、そのガス代には定価がないのです。

今後DeFiを使用する人が増えてくると、その分イーサリアム上のネットワークは混雑します。

そこでなんらかの対策が必要となった場合、ガス代高騰の可能性があるでしょう。

まとめ

DeFiとは「分散型金融」で、「ブロックチェーン上で構築できる金融サービスまたはそのシステム」です。

既存の金融システムにはなかった優れた技術が注目を集め、順調な成長を続けていることから、今後も発展していくことが確実視されています。

しかし、バブル崩壊のリスクや補償もなくトラブルが起きても自己責任のため、これらに注意して利用することが大切です。

これからDeFiを始めたい方は、情報収集しながら、小額から始めてみてはいかかでしょうか。

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